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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「オカマ当てクイズとか得意だったのに、ショックだわぁん!」
 やはりこの二人、知り合いであったらしい。
 夏希は少し頭が混乱していた。
 同じ顔がそこにあるだけでも不思議な感覚に襲われるのに、たしかに?同じ存在?と言ったのだ。
「あなたは何者なんですか?」
 それは自分にたいしての質問のようであった。
 今になって、自分は何者なのかという疑問が沸々と湧いてしまったのだ。
 ピンクシャドウは真摯な眼差しを夏希に向けた。
「この世界でオレは因幡兎(いなばうさぎ)という名前で生まれた。覇道家の隠密として育てられ、ずっと舞桜様の傍に仕えてきた。物心ついたときから自分はこの世界の住人ではないと気付いていた。前世の記憶を持ち、舞桜様が別の世界で何者であったのかも知っていた。だから決して〈魔王〉として覚醒(めざ)めさせてはならないと注意を払ってきたのだが……」
「あたしと?同じ存在?ってどういうことですか?」
「同じ存在だが、厳密に言うと違う。平行する違う世界に存在する同じ魂を持った存在。本来は同じ世界に同じ人間は二人以上生まれないが、この世界では同じ時代にオレと君が存在してしまった。この世界の正しい住人は君で、オレはこの世界にやってきてしまったイレギュラーなんだ」
 さらに呼吸を兎は置いて続ける。
「オレは舞桜様の影として、誰にもその存在が悟られぬようにしていた。そこにいるベルフェゴールにはすぐに気付かれてしまったが。しかし、何の特殊な能力も持たない者が私の存在を感知するのは容易なことではない。それなのに君はオレの存在にすぐ気付いた。それは、君の魂とオレの魂が同調したからなのだろう」
 存在を知られないようにしている節はあった。一人だけ反応の可笑しい人物がいた。他の者の場合は兎が姿を隠していたが、あの人物は隠れてもいない兎が感知できていなかった。
 夏希はエクストリーム生徒会選挙で火に囲まれたときのことを思い出した。最初はとぼけているのかと思ったが……。
「一つ訊いてもいいですか、舞桜ちゃんにはあなたのこと見えてませんよね?」