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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「汚くて放置された可哀想な兎がいたから……」
「菊乃ちゃん!」
「大丈夫よ、少し休めば平気だ……か……」
 そのまま菊乃は気を失ってしまった。
 ベルが夏希の変わりに菊乃を抱きかかえて、部屋の奥に寝かせた。
「少し疲れて眠ってしまっただけだから大丈夫よぉん」
「よかったぁ」
 安堵のため息を漏らす夏希だが、心配なのはもう一人いる。
 ピンクシャドウは気を失っているのか、それとも死んでいるのかわからない。
 きぐるみの上からではなにもわからなかった。
 脱がせればいいのだろうが……。
 夏希は困った顔で雪弥を見つめた。
「頭取ったら怒られるかなぁ?」
「顔を見られることを嫌がっていたみたいだからね」
 二人が顔を見合わせていると、その間をベルが割って入った。
「別にいいじゃないよ、取っちゃいなさい、取っちゃいなさい♪」
 ベルは独断と偏見できぐるみの頭部を投げ取ってしまった。
 三人は言葉を失った。
 中でも一番驚いたのは……。
「あたし?」
 夏希はそれ以上の言葉を発せなかった。
 素顔を晒されたピンクシャドウ。
 そこにあったのは?夏希?の顔であった。
 微かにピンクシャドウの瞼が動く。
 次の瞬間、勢いよく立ち上がったピンクシャドウは飛び退いた。
 自分に集まる視線に気付いたピンクシャドウは自らの頬に触れた。
「そうか……見られたのか」
 同じ顔が互いを見つめ合う。
 夏希はまだ信じられなかった。
「どうして……もしかして双子?」
「表現としては近いがそれは間違いだ」
「鏡を見てるみたいだけど今の鏡じゃないの。そう、まるで未来の鏡を見ているみたい」
 そう言われて雪弥も気付いた。
「なるほどね、それが僕の感じた違和感か。こっちのほうが大人の顔をしてるんだよ」
 こっちとはピンクシャドウのことである。
 今の夏希が何年後かしたらこうなるだろうと思わせる顔。
 でも――。
「あたしこんな声低くないし、ピンクさんのほうがいい声してる」
「声の違いは発声の違いだろう。君にも出せる、オレたちは同じ存在なのだから」
 ピンクシャドウはついに核心を述べた。
 ――同じ存在。
 ベルはピンクシャドウの顔をまじまじと見つめている。
「もしかしていなっちって女の子だったのぉん?」
「生まれたときからオレは男として振る舞ってきたからな。別にあなたのことを騙すつもりはなかった」