まおー転生
脳天から〈黒い眼〉の目玉に突っ込んだ。
グヲヲヲヲヲヲヲ!
〈黒い眼〉がなんかよくわかんない音を発した。きっとコレは痛そうだ!
きっとクリティカルヒットだったに違いない。
おおっと!
〈黒い眼〉の目玉が赤に変わったぞ、きっと怒っているに違いない。たぶん怒ると攻撃力アップだ!
ピカピカっと〈黒い眼〉が稲妻を発し、メガビーム!
モロにダイマオーの腹に直撃。トンネルが開通してしまった。しかも、下半身の重さに耐えきれず、穴が広がって下半身落下。深海までさようなら。
上半身だけでもかろうじて動くゴキブリ並の生命力を誇るダイマオー。
テンパる夏希。
「どうしたらいいの!?」
《こうなったら最期の手段よなっちゃん!》
「なんですか?」
《ドクロマークの付いたボタンを押すのよ!》
「(ドクロマークって)ホントに押していいんですよね?」
《女は度胸よぉん!》
「はい!」
ポチッとな。
ちゅど〜ん!!
その日、ダイマオーは海の藻屑となったのだった。
僕らはその勇姿を決して忘れない。
ススだらけになって生徒会室に帰ってきた二人(三人じゃないの?)。
夏希は真っ黒な顔をしてベルに掴みかかった。
「死ぬとかだったんですよ!」
「でも、ちゃんとコックピットごと空に打ち上げられたでしょう? ここにこうしていることが脱出成功の証よぉん」
ホークアイはマスカレードマスクを外して雪弥に戻った。眼の周りだけ黒くないのがチャームポイントだ。
「僕らは助かりましたけど、覇道は全身打撲で病院に運び込まれましたけどね」
ハルキはそういう役回りだから仕方ない!
ベルは胸の谷間から一升瓶を取り出した。
「まあ、目玉オバケ倒せたんだし、勝利の祝杯でパーッといくわよぉん!」
祝杯関係なしにアンタはいつでも飲んでるがな。
しかし、夏希はそんな気分になれなかった。
「祝杯なんて……だって舞桜ちゃんの行方も、ピンクさんも、菊乃ちゃんもどこかに消えちゃったんですよ!」
生徒会室のドアが開き、誰かが倒れ込むように入ってきた。
「わたしならここよ」
息を切らせながら菊乃が畳の上に倒れ、背負っていたピンクシャドウも投げ出された。
夏希は菊乃を抱き起こして肩を貸した。
「だいじょぶ菊乃ちゃん! ピンクさんのこと背負って運んできたの!?」
作品名:まおー転生 作家名:秋月あきら(秋月瑛)