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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 その者はそう言った。
 ホークアイは笑みを口元に浮かべた。
「本当だったのか……ならばそれが君の真の姿かッ!」
 全力でホークアイは〈魔王〉に斬りかかった。
 刹那、三本の輝線が宙を趨り、氷結するかのごとく音が響き渡った。
 折れた刃が回転して天上と天下に突き刺さった。
 ホークアイは刃の折れた二振りの刀を握りしめながら愕然とした。
「恐ろしい」
 両の手から滑り落ちた二本の柄。
 未だ刀を握る〈魔王〉はその切っ先をホークアイの喉仏に突き付けた。
「殺しちゃダメ!」
 夏希の叫びが木霊した。
 眼を瞑る〈魔王〉。その手はゆっくりと下ろされ、刀の切っ先は床に向けられた。
「懐かしい声だな……貴姉(きし)が望むならばそれも良かろう。戦意を失った者はすでに戦士であらず」
 冷や汗を掻きながらホークアイは、そのまま背中から大の字になって倒れた。
「あははは、完敗だ。怖い怖い、触らぬ神に祟りなし……だね。そして、弱き者は強き者に従うのが世の常なら、僕は魔王陛下の忠実なる下僕となりましょう」
 起き上がったホークアイは膝を付いて〈魔王〉に頭を垂れた。
 そんなホークアイにハルキが食ってかかる。
「調子のいいヤツめっ!」
「固いことは言わない言わない。長いものには巻き付けさ」
 ホークアイとハルキのやり取りには目もくれず、〈魔王〉は穏やかな瞳で夏希を見つめていた。
「しかし……貴姉は誰だ?」
「(キシってあたし岸だけど)あなたこそ誰なの、天道舞桜じゃないの?」
「まだ長い夢を見ているのか……似ているが……違う。貴姉はいったい誰なのだ?」
 突然、建物全体が激しく揺れた。
 そして、爆乳も揺れた。
 慌てた様子でこの部屋に駆け込んできたベル。
「ちょっとアタクシがウンチちゃんしてる間に舞桜ちゃんがいなくなっ――げっ、まさかそれって舞桜ちゃん?」
 再び建物が激しく揺れた。
 手を付くほどの揺れの中でただひとり、〈魔王〉だけが立ったままだった。
「……感じる……記憶の片隅……」
 ハルキが〈魔王〉を指さした。
「あいつ飛んだぞ!」
 彗星のような輝きを放った〈魔王〉が何重もの天上を突き破って遙か空に消えた。
 …………。
 残された四人の思考が一時的に停止する。
 ハルキが叫ぶ。
「あいつどこに飛んでったんだよ!」
 夏希も呆然としながら言葉を漏らす。