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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 俊足でホークアイは駆け、二刀流を振るった。
 ガシッ!
 ハルキは紙一重で一刀を真剣白羽取りで受けた。
 しかし、刀は二振り。
 ギシッ!
 な、なんとハルキは刀を歯で挟んで受けた!?
「むうぃっふぁふぁ、ひひょふぉふぉふぁんふぁふぁひふぇふふぉひひ、ふふぁふぃふぇふぁひふぁひふぁぐーどぅ!」(日本語訳:昔、いとことチャンバラしてるときに、二人で編み出したんだ!)
 別にどーでもいいエピソードだ。
 ホークアイは足を蹴り上げた。
 キン・タマ!
 強烈な痛みでハルキは股間を押さえながら飛び上がった。
「いでーぢぬー!」
 股間を押さえて床をゴロゴロ。
 容赦ないホークアイの刀はハルキを串刺しにしようと振り下ろされる。
「覇道くん危ない!」
 夏希の叫びを聞いて我に返ったハルキは、ゴロゴロしながら刀を避ける避ける。
「ぎゃっ、うぇっ、うおっ、刺さったら死ぬだろー!」
「そのつもりでやっているよ」
「手加減しろよバーカ!」
「するわけないだ……ろっ!」
 一気に振り下ろした刀が床に刺さった。
 その隙に立ち上がったハルキに頭をもう一振りの刀が掠めた。
 よかったね、ハルキくん散髪代が浮いたよ!
「うぉ〜オレ様の髪の毛がーッ!」
 まるでカッパみたい。
 ハルキは床に落ちた髪の毛をかき集める。
「もったないもったいない!」
「君を相手にするのが馬鹿らしく思えてきたよ。バイバイ」
 髪の毛を拾っているハルキの背後からホークアイの刀が振り下ろされる。
 夏希が叫ぶ。
「やめて!」
 ホークアイの動きが急停止した。
 〈千里眼〉を持つはずの彼が今の今まで感知できなかった。
「……そこにいるのは誰だ!」
 ホークアイが叫んだ。
 長身のスラリとした影が長い髪を靡かせ入ってくる。
 その姿を確認した夏希が叫んだ。
「舞桜ちゃん!」
 そして、再度確認して呟く。
「……違う」
 紅い髪が靡く。
 舞桜と同じ顔を持つ者。しかし髪は紅に燃えている。
 金色に輝く瞳でその者はホークアイを見据えた。
「我が城の居心地はどうだったかね? そろそろ私に返してくれるとありがたい」
 その者の顔には歌舞伎の隈取りのような、目の回りや頬などに紅の線が入っていた。
 ホークアイも思わず聞いてしまった。
「誰だ?」
 ――と。
「私か? 名は無い。ただ、いつの日からか……〈魔王〉と呼ばれていた」