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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 最大の驚異はあの魔獣〈黒い眼〉である。なんとしても止めなくては、すべてが壊されてしまう。
「やっぱりあれもあなたの仕業なの?」
「まあね」
 〈黒い眼〉は首謀者であるホークアイの力を遙かに凌駕する存在だろう。
 学園のシステムを乗っ取っただけなら、まだ引き返せたかも知れない。
「あの魔獣がこれから先も暴れれば、多くの人が死んでいくだろうね。一人死に、また一人死に、そうする度に俺は滅び道を進んでいくんだ。進んでしまったが最期、引き返すことのできない一方通行の地獄道さ」
「今からでもいい、お願いだから止めて!」
「だから無理なんだよ。あれは俺の制御できる代物じゃない。本当に偶然だったんだよ、呼び出せたのは。あの魔獣がどこから来たのか、いったいどんな存在なんか、なぜ召喚できてしまったのか……もしかしたら、引き寄せられたのかもしれない――強い因果か何かに」
 強い因果?
 あの怪物を知るものはただ一人。
 ピンクシャドウ、かの者は今も戦い続けているのだろうか?
 ホークアイは一歩前へ出た。
「で、結局君は何がしたい?」
「…………」
「戻ることはできないよ。とりあえず俺を殺しておくかい?」
「殺す理由なんてない!」
「客観的に見て俺は悪役だと思うけどな。悪役には正義の鉄槌が下されるんだ。まあ、それは物語の中だけで、残念ながら現実の世界は悪のほうが強いけど」
「学校を取り戻す! それから外の怪物もどうにかする! それから鷹山くんとゆっくり話し合いたい」
「あはははは、とんだ欲張りさんだ。まあいい、運命を変えられるなら立ち向かってくればいいさ」
 夏希は一歩も踏み出さなかった。気持ちはもう決まった。けれど、どうしていいのかわからない。
 メインコンピューターはどこだろう?
 それより先にホークアイをどうにかしなければ邪魔されてしまう。
 けれど、夏希は暴力による解決を望まず、望んだとしても行使する力を持ち合わせていない。
「君から来ないなら俺から行くけど?」
 ホークアイの姿が消えたと思った瞬間、すでに夏希の首に二本の刀が突き付けられていた。
「俺はすぐにでも君を殺せるんだ」
 交差した刀はハサミの刃のように夏希の首を挟んだ位置にある。左右どちらにも動けず、上下にも体を動かせない。逃げるとしたら後ろだが、そんな猶予は与えてくれないだろう。