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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 凛として夏希は答えた。
「違うよ、彼女は俺の正体もずっと知らなかった。ほんの少し前に全部打ち明けた、そしたら簡単に協力してくれたんだ」
 夏希はほっとした反面、怒りがこみ上げてきた。
「酷い」
「酷い?」
 同じ言葉を雪弥は聞き返した。
 拳を強く握った夏希。
「人の心を弄ぶなんて酷いよ」
「それは酷い誤解だ。俺は魅神に優した覚えはあっても冷たくしたことはない。ましては裏切ったこともないよ。ただ彼女の力はずっと狙っていたけれどね」
「どうしてあなたみたいな人に……」
「それはきっと彼女が孤独だったから、優しさに飢えてたんだ」
「でも菊乃ちゃんは心が読めるんだから、あなたが自分を利用しようってしてるってわかってたはずなのに、どうして……」
「そこが重要なポイントだったんだ。彼女は俺の心が読めなかった。だから彼女は凄く驚いたと思うよ、もしかしたら人生ではじめての経験だったのかも知れないね。彼女は人を信用しない、きっと俺のこともそうだと思う。けど、見えないから俺だけが特別な存在になったんだろうね」
 菊乃は人の心がすべて聴こえるわけではない。狐面でその力を抑制していることからもわかるように、ホークアイがどのような方法を使ったわからないが防ぐ手だてはあるのだ。
「今はあたしが菊乃ちゃんの傍にいる」
「だから彼女は弱くなってしまった。困るんだよね、そういうの。だからさ、できれば君に消えて欲しいと思ってる」
「イヤ」
「だったら俺の仲間になるかい?」
「それもイヤ」
「じゃあ、どうしたいんだい?」
「……わからない」
 自分の取るべき行動がわからない。
 できることなら――。
「すべて元通りに、全部なかったことにして欲しい。大変だったけど、この学校ちょっとおかしいけど、みんなと一緒に生徒会できて楽しかった。だからね、ウソだって言って欲しいの」
「世の中はそんな都合のいい物じゃないよ。俺は入学する前からすべてを乗っ取るつもりだったし、生徒会に入ったのも天道に近づくため。ほかにもいろんな生徒を観察しながら、そいつの持ってる能力や生まれなんかを調べて、自分の仲間にする奴とそうじゃない奴を分けてた。はじめからね、こうなる運命だったんだよ」
「今ならまだ引き返せるから」
「それは無理だね」
「どうして! 今からでも学園を返して、それから……」
「外にいる魔獣は誰にも止められないよ」