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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 狐面が虚しい音を立てて床に転がった。
 二人して床に倒れ、上に乗った夏希に見つめられた菊乃は顔を横に逸らした。
 夏希の涙が菊乃の頬に落ちた。
「泣いてるの……菊乃ちゃん?」
 菊乃もまた泣いていた。
「だってこうするしかなかったのよ……貴女と彼の間に挟まれたわたしは……道を失った」
「どうして?」
「貴女は扉の先に進みなさい。わたしはここで待つ……次に出てくる人を待って……だってわたしには選べないから」
「……わかった」
 ゆっくりと夏希は立ち上がって、扉の前まで移動した。
 そして、振り返る。
「あたしたち今でも友達だよね?」
「……貴女がそう思ってくれるなら」
「うん」
 所々傷む体で夏希は重い扉を力一杯に開いたのだった。
 部屋の中央で輝きを放つクリスタルの光。
 蒼い海の中のような光に包まれるその場所で、目元だけを隠すマスカレードマスクの男が独りで佇んでいた。
「入ってこられるとは思ってなかったよ。魅神も変わってしまったものだよ、君のせいで」
 顔は隠してもいてもその声には聞き覚えがあった。
「鷹山くん!?(どうして、どういうことなの……だって鷹山くんは……)」
「顔を隠していてもすぐにバレてしまったね。別にこれは正体を隠す物ではないからいいけどね。そう、俺は君の知っている鷹山雪弥――でも今は秘密結社C∴C∴(クリムゾンクロニクル)の首領として、ホークアイと呼んで貰えると嬉しいな」
「なにがどうなってるかわからないよ!」
 ホークアイはため息をも漏らした。
「理解力のない女だなぁ。はじめからこの学園を乗っ取る気だったんだよ。活動の拠点とするために要塞も欲しかったし、なによりこれが欲しかったんだ」
 親指を立てて、自分の後ろにあるクリスタルを示した。その大きさはホークアイの身長よりもある巨大な物だった。
 クリスタルの入った透明な筒にホークアイは手を触れた。
「これはね、マナクリスタルと言って純粋なエネルギー結晶なんだ。上手く使えれば世界だって滅ぼせると思うよ」
「いったい何をしようとしてるの?」
「今言ったじゃないか、滅ぼすってさ」
 邪悪な口元。
 何を信じていいのかわからなくなる。
 何が起きているのかさえわからなくなる。
「菊乃ちゃんもあなたの仲間だったの?」
「知りたいの?」
 嫌な言い方だった。まるであざけるような物言い。
「教えて」