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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「さっきから変な英語混じりのしゃべり方あんまりしてませんよね?」
「そんなことナッシングよぉん、おほほ」
「やっぱり演技なんですね。めんどくさいならやらなきゃいいのに……」
 夏希はベルに反論させる前にさっさと部屋を出た。

 ベルに言われたとおり、三番目のトイレ→ジェットコースター→ベルの隠し部屋→クローゼットの先に隠し通路があった。
「なんであたしが……(コンピューターってあたしよりも先生のほうが詳しいんじゃ?)」
 長い通路を抜けると、何もない四角い部屋に出た。部屋の先には扉。その前には一人の少女。
「ここは誰も通さないわ」
 狐面の少女はそう言った。
 舞桜はパニックに陥ってしまった。
「どうして菊乃ちゃんが!?」
「…………」
「なんで、ねえ、どうして?」
「……帰りなさい。そうすれば何も危害は加えない」
 夏希は前にも後ろにも動けなかった。
 なぜ菊乃がここにいるのか?
 メインコンピュターが乗っ取られたのではないのか?
 だとすれば……。
 菊乃は腕を薙ぎ払った。するとカマイタチが巻き起こり、夏希の袖を掠めた。
「次は皮膚を切り裂くわよ。帰りなさい、死にたくなければ」
「なんで、わからないよ!」
「人は裏切る者なのよ」
「どうして……(菊乃ちゃんがここにいるってことは)」
 思考はすべて菊乃に読まれる。
「わたしの口からはっきり言ってあげる。わたしが学園の情報処理機構を乗っ取ったのよ。これで満足かしら?」
「満足じゃない! だって、だったらどうしてそんなことしたの!?」
「どうでもいいじゃない、そんなこと……」
「よくないよ!」
 夏希の視界が涙え滲む。
 止らない涙を腕で拭いながら、夏希は一歩一歩前へ進んだ。
 菊乃が後ずさりをする。
「来ないで!」
「……前と同じだね」
「来ないでって言ってるでしょう!」
 邪悪な黒い風が吹き荒れ、夏希の制服を切り裂いた。破れていく制服。頬を掠めた風の刃が、一筋の紅い線を走らせた。
 夏希の頬を滴り落ちる血の軌跡。
 一瞬、凍り付いたように動かなくなった菊乃だったが、
「お願いだから死んで!」
 叫びながら邪悪な黒い風を巻き起こした。
 猛烈な風の中を夏希は全速力で走り菊乃に飛びかかった。
 伸ばされた夏希の手。
 傷だらけになってしまった手は狐面を掴みながら菊乃の体を押し倒した。