まおー転生
突然の揺れでベルがバランスを崩して爆乳から夏希の顔にダーイブ!
ぼよよ〜ん♪
さらにそのまま揺れは続き、ベルは夏希の頭をぎゅっと抱きしめたもんだから、パイ圧で窒息死させられる寸前だった。
「ぐるぢ〜!」
「あらぁんごめんなさぁい♪」
ぼよよ〜んとさせながらベルは後ろに下がった。
今の揺れも敵の攻撃だったのだろうか?
アナウンスが流れる。しかし、その声は今までとは似ても似つかぬ邪悪な男性ボイスだった。
《浮遊システム起動。これより学園はアトランティスから切り離され浮上する》
「はい?」
と夏希はベルを見つめた。
「あらぁん、そのシステムはまだ開発中だったハズなのだけれど……誰かが完成させてくれたのね、ラッキー♪」
「浮遊ってどういうことですか、もしかして今空飛んでるんですかぁ〜っ!?」
「オーイエス。この都市の電力を確保するために電気だけじゃ足りないから、魔導発電を取り入れる予定だったのよね。その副産物で浮遊システムの開発をしていたのだけれど……いったい誰が動かしたのかしらね!(笑)」
「なんだか雰囲気的に乗っ取られた気がするんですけどぉ」
「この学園は最強の要塞と言ってもいいものね。目を付けて乗っ取るなんてお目が高いわぁん」
どうやら敵はすでに内部に侵入していたらしい。
学園の外ではピンクシャドウと〈黒い眼〉が戦い続けている。
舞桜は未だ意識を朦朧とさせている。
ハルキは部屋の隅で気持ち悪そうにしている。
夏希が大声で叫ぶ。
「どうすればいいんですかぁ〜っ!」
「どうするもこうするも、誰かが学園の中枢に行って、メインコンピューターをいじってる誰かをどーにかこーにかしなきゃだわね」
「誰かって誰ですか?」
「アタクシかアナタ。最初はグー、ジャンケンポン!」
突然のじゃんけんに思わず乗ってしまってグーを出した夏希。
もちろんベルはパー。
「アタクシの勝ちね」
「だって最初はグーって言った!」
「つべこべ行ってないでさっさと行きなさいよ。場所はアタクシの部屋に入って、寝室のクローゼットの先に隠し通路があるから。舞桜のことならアタクシが責任を持って看ててあげるわよぉん」
なんだか強引だが、夏希は仕方なく行くことにした。
部屋を出る前に夏希が振り返った。
「ところで鈴鳴先生?」
「なぁに?」
作品名:まおー転生 作家名:秋月あきら(秋月瑛)