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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「じゃ、アタクシと一緒に行きましょう♪」
 どこにですか?
 怪しい場所に連れ込まれるんですか?
 さすがに雪弥もちょっと苦笑いをしている。
「あの……」
「とっくにユッキーが乗る戦闘ヘリと護衛の戦闘機は待機済みよぉん。敵地はスカイの上だし、バレるの覚悟で近づくしかないわね。気休め程度に空間歪曲システムを搭載しといたけど」
 夏希が首を傾げた。
「空間歪曲システム?」
「まあショートに言えば、姿をルッキングできなくなるシステムね」
 敵はいきなり攻撃を仕掛けてきたような相手。多大な危険が予想される。戦闘機で護衛なんて話を聞いて夏希は不安でいっぱいだった。
「だいじょぶだよね鷹山くん?」
「心配しなくて大丈夫だよ。それじゃ、僕はいろいろ準備もあるし、またねみんな」
 爽やかな笑顔を残して雪弥はこの場を去った。ベルの爆乳を腕に押し付けられながら――。
 もうそこにはない彼の背中を見続ける狐面の少女。
 長い夜がはじまる。

 そんなわけで生徒会室にある大型ハイビジョンテレビ(地デジ対応にいつの間にか替えられた)で、雪弥のエクストリーム潜入作戦を見守ることになった。
 テーブルにはお菓子が用意され、すでに酔っぱらっているベル。この人、あきらかに空気が読めてない。
 ここぞとばかりにお菓子を口いっぱいに頬張り、ポケットにまで詰め込んでいるハルキ。こっちも空気が読めてない。
 冷静な眼差しで画面を見る舞桜の横では夏希が不安げな表情をしている。
 夏希はふと菊乃に目を配った。
 微動だにせずじっと画面を見ているようだが、狐面の上からではその表情は見て取れない。何を考えているかもわからなかった。
「(……菊乃ちゃん)」
 夏希の心配そうな心の声も、今は菊乃に届いていないのかも知れない。何の反応もせずただ菊乃は画面に顔を向けていた。
 ベルが一升瓶を掲げた。
「そろそろスタートするみたいよぉん!」
 カメラの映像が滑走路に切り替わる。
 飛び立っていく戦闘機部隊。
 すでに空間歪曲システムを作動されているヘリは画面に映らなかった。
 別の画面にカメラが切り替わる。
 空に浮かぶ〈球体〉が長い眠りから覚めたように、何かが駆動する重低音をうならせた。その音は遠くカメラに設置してあるマイクまで届いた。