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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 世界的大グループの孫娘を少し見くびっていたようだ。
 さらに舞桜は、
「ではさっそく商談の準備をはじめよう。場所は近くの料亭で良いな?」
 なんか別の交渉をする雰囲気なんですが?
 すっかり犯人は舞桜のペースに呑み込まれそうになっていたが、ここでハッとして我に返った。
「俺のことおちょくってんのか! 料亭ってなんだバカか!」
「ならばホテルにするか?」
「そーゆー問題じゃねぇよバカ女! 俺は犯人なんだぞ、人質を取ってんだぞ?」
「だから金は出すと言っているだろう。ほかにも要求があるのか?」
「俺は犯人なんだから警察の手が届かない場所に逃亡したいんだよ、料亭なんか行ってどうすんだよ!」
「ふむ、ならば乗り物を用意しよう」
「そうだ、なんか用意しろよ」
「戦闘ヘリなどオススメだぞ、追ってくる者は撃破できる。そうだな、逃亡先は国外にある無人島を提供しよう」
「…………」
 ここまで来ると唖然としてしまって犯人は何も言えなくなってしまった。
 言葉の詰まる犯人を放置プレイして、舞桜は勝手に話を進めようとしていた。
「交渉するにしても何にしても、そこに引きこもっていては困る。ここは庶民感覚に合わせてファミレスで話し合おうではないか?」
「引きこもりじゃねえよ、立てこもってんだよ! 犯人がのんきにファミレスなんて行くかバカ!」
「引きこもりも立てこもりもどちらも同じだろう。人の話もロクに聞かず、塞ぎ込んでいるのだから」
「違げぇーよ!」
 このときすでに人質であるハズの夏希は蚊帳の外。
「(なんか舞桜ちゃんすごい……ここまで話が噛み合わないなんて天才的)」
 犯人は髪の毛を掻き乱した。
「チクショー、こうなったら人質と一緒に死んでやる。付いてくるなよ!」
 違った意味で追い詰められた犯人は夏希を連れて店の奥へと引きこもってしまった。
 舞桜は声を荒げる。
「しまった、連続引きこもり殺人事件に発展してしまった!」
 すぐに舞桜は店内に乗り込んだ。
 犯人は夏希を人質に取ったまま後ろ歩きでじりじりと後退していく。
「近づくなよ、人質を殺すぞ!」
 舞桜は冷静に、
「本当に人質を殺してしまっては逃げられんぞ? 貴様が人質を殺す可能性があるのは、逃げられないと思って自暴自棄になったときだろう。したがって、ここは殺すではなく、人質の爪を剥ぐぞくらいにしておくべきだと提案する」