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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 一方的な舞桜の求婚であっても、舞桜の大事な人ということには変わりないだろう。
 犯人は思う。
「(よりによって……でも待てよ、逆にツイてるんじゃないか。人質を上手く使えばここから上手く逃げることが……大金も手に入れられるんじゃ?)」
 雨だというのに、コンビニの周りには次々と人が集まってくる。そして、ようやく巡回中だった市営警官のパトカーが到着した。
 二人一組の警官の一方が現場の立ち入れ規制をして、もう一方は犯人の様子を窺おうとして舞桜に気付いた。
「うおっ天道!」
 驚きのあまり思わず呼び捨て。
 慌てて警官は取り直した。
「天道さん、危ないですから犯人から離れてあとは我々に任せてください!」
「断る!」
 即答。
 舞桜の性格から考えて想定内の解答だ。
 これから警官が続々と集まってくるだろうが、舞桜には関係のないことだ。今は目の前にいる犯人と夏希以外のことは無いに等しい。
 舞桜は改めて尋ねる。
「要求はなんだ?」
 犯人はツバを飲み込んだ。
「……金を用意しろ」
「いくらでもくれてやる」
「じゃあ一〇〇万用意しろ!」
「たったの一〇〇万ドルでいいのか?」
「ドルじゃねえよ円だよ!」
 舞桜ショック!
 あまりの驚きに舞桜はやっと思いで声を絞り出す。
「ま、まさか一束でいいとは信じられん。夏希の命は金には換えられんが、その額は安すぎて交渉にもならんな!」
「「は?」」
 加害者と被害者が同時に『は?』っとなった。
 思わず夏希も素に戻ってしまった。
「安すぎるとかそういう問題じゃなくて、助けてもらえるならあたし別に構わないんだけどぉ?」
「夏希はそれでいいのか? 安く買いたたかれて不満ではないのか! 安い女だと思われていいのかっ!」
「安い女って意味が違うと思うんだけど」
「とにかくその額では交渉もはじめられん」
 なんだか犯人と舞桜の立場が逆転。
 犯人は慌てて金額の提示をする。
「一〇〇万ドルっていくらだよ……一億くらいか、じゃあ一億でどうだ!」
「先ほどよりはマシだが、それでも決して多いとは言えん。お前の思う大金とはその程度か?」
「じゃあ一兆!(なんて出せるわけないだろうな)」
「仕方あるまい、貴様の基準がその程度ならば、最低取引価格は一兆からはじめなければならんな」
「へ?(まさか出せるとは思わなかった)」