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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 階段を下りて廊下を眺めたが夏希の姿はない。
 さらに急いで舞桜はマンションの外に出た。そこにも夏希の姿はなかった。
 少し辺りが騒がしい気がした。
 近くにあるコンビニの前に人が集まっている。
 気になった舞桜はコンビニの前にいた通行人Aに話を聞いた。
「なにがあったのだ?」
「強盗犯が人質を取って立てこもっているらしいよ」
「ふむ、連続引きこもり事件か(住人の誘致を大々的にやっているせいか、この都市の治安も悪くなってきたな)」
 和傘を差した菊乃が遅れてやってきた(傘とかいつの間に用意してたの?)。
「人質になっているのあなたの婚約者よ。助けてって叫んでいるもの」
「なにっ夏希が!?」
 次の瞬間には舞桜は人混みを掻き分けてコンビニの中に飛び込もうとした。
 だが、入り口からすぐ入ったところで犯人は夏希を人質にしていた。
「近づくんじゃねぇ!」
 犯人の男は目を血走らせ、夏希の首に包丁を突き付けている。
「助けて舞桜ちゃん!」
 涙目で叫んだ夏希。
 雷がどこかに落ちた。
 大雨の中で全身を濡らしながら舞桜は犯人を睨み付ける。
「彼女を放せ。ほかに要求はしない」
 犯人は怒ったようすで包丁を振り回した。
「要求だと? なんでてめぇが俺に要求してるんだよ!」
「ならば貴様の要求も聞こう。これならば不服あるまい?」
「お前なんかに話して何になるんだよ、早く話のわかる奴連れて来い!」
 犯人は舞桜のことを知らないと見える。もしくは気付いていないのだろうか?
 舞桜は雨に濡れた前髪を掻き上げた。
「話ならばこの私で十分だ」
「なにぃ、小娘の分際で俺のことバカにしてんのかッ!?」
「話ならばこの天道舞桜が聞いてやると言っているのだ」
「……なっ(天道って……まさか)」
 顔は知らなくても名前は知っていたらしい。
 雨に濡れた桜色の髪。その髪は一目見れば忘れない。見たことのない者でも、その得意な髪のことは聞いたことがあるだろう。
 舞桜の正体を理解した犯人は大声をあげる。
「こ、この都市を造ったっつー天道舞桜か!」
「そうだ、だからこそこの都市で起きた事件は見過ごせぬ。私の婚約者が人質となっていれば尚のこと許せぬ」
「婚約者だと!?」
 犯人は度肝を抜かれた。
 けど、夏希はボソッと、
「向こうが勝手に言ってるだけですから(女の子同士なのに)」