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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 あんまり寂しいなら出会い系とか登録するといいよ、サクラメールいっぱい来るから♪
 男は驚いた表情をした。そして、見る見るうちに明るくなっていく。
「えっ、本当ですか!? デビューできるんですか? あ、それは気が早いですか、賞もらったわけじゃないですもんね。でもこれから頑張ればデビューできるんですよね、本当にありがとうございます、やったーっ!」
 と、男が飛び跳ねた瞬間。
「……あっ」
 足を踏み外した。
 屋上から消えた男の影。
 ひゅ〜ん、ドン!
 あ、落ちた。

「さて、次の感染者のところに行くとするか」
 何事もなかったような舞桜の発言。
 驚く夏希。
「えっ、だって今落ちたんだよ? もう遅い……って言っちゃけなかった、ほら救急車呼ばなきゃ!」
「彼に対する私の興味は尽きた」
「舞桜ちゃんそれでも血の通った人間?」
「生物学的に見ても私は歴とした人間だが?」
「人が死んだんだよ! ねえ、菊乃ちゃんも何か言ってあげてよ!」
 と、話を振ってから失敗したと思った。
「別に誰が死のうと私には関係ないわ」
 アウェイだ。
 ちょっと倫理的に可笑しいのが二人いる。民主主義に則って多数決したら夏希のほうが可笑しいことになってしまう。
 夏希は悲しそうな顔をして舞桜を見つめた。
「舞桜ちゃんってたまに思うことだったけど、どうして人の気持ちがわからないの?」
「残念ながら霊視能力は持ち合わせていない」
「そういうことを言ってるんじゃなくて、気持ちの問題を言ってるの!」
「気持ち?」
「人の気持ちを考えて行動したりしないの?」
「人の意見に左右されて行動することはよくないことだ」
「意見じゃなくて気持ち!」
 夏希はいつの間にか涙目になっていた。
 困った顔をする舞桜。
「どうしたのだ、なぜ涙を流している?」
「それもわからないの?」
「涙を流す理由はいくか考えられる。あくびをしたとき、悲しいとき、嬉しいとき、悔しいとき、花粉症のとき……」
「もういい!」
 感情が抑えきれず、居たたまれなくなった夏希はこの場を飛び出した。
 風に靡いた小さな雫。
 ぽつ、ぽつ……と地面を濡らす染み。
 空を見上げると、灰色の空から急に大粒の雨が降りはじめた。
「ふむ、夏希に傘を届けねばならんな」
 その動機で夏希を追いかけるため走り出した舞桜。