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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「放してくれ、俺はもう死ぬしかないんだ……」
「どうして!」
「俺に人徳なんてあるわけないだろ。学生時代はうつ病で、暗くてキモくて友達もいない俺にとっての黒歴史なんだ。そりゃ少しくらい友達もいたけど、学校卒業したら疎遠になるし、友達なんかと遊ぶより俺は小説を書くことでいっぱいだったんだ。青春時代の楽しいことを我慢して、とにかく小説を書くことに一所懸命で、人との関わりをどんどん切っていったんだ。そんな俺に人徳なんてあるわけないだろ」
 バイトもせず、友達とも遊ばす、家に引きこもって小説ばかり書いている。たしかに人徳なんて微塵も感じられないね♪
 しかし、代九一代内閣総理大臣のフフン康夫は学生時代友達いなかったらしいけど、日本のトップになったぞ?
 まあ、フフン康夫は親も総理だし、元サラリーマンと言えエリートだったからな!
 男はさらに肩を落とした。
「俺には人徳もない。才能もない。金もない。もうダメなんだ……」
 舞桜はため息を吐いた。
「わからん奴だな。死ぬ覚悟があるなら死ぬまで夢を追っても同じ事だろう。君はどうせ死ぬ気がないのだ。本当に死にたいならこっそり死ねば済むこと、止めて欲しかったのだろう。君の人生にはまだ甘えがあるのだよ」
「俺の何がわかるっていうんだよ!」
「少なくとも君をもっとも苦しめ傷つけているのは君自身だということはわかるさ。君は自分の生死に関わることが起きたときにも目移りするのかい? 本当に死ぬ覚悟があるなら、常に生死が関わっていると思い行動したまえ」
「おうおう飛べばいんだろ飛んでやるよ!」
 もうヤケクソですね。
 屋上に冷たい風が吹き込んだ。
「死にたいのなら勝手に死ねばいいわ。ただし、死んだからと言って楽になれると思わない事ね」
 夏希はその黒い影を見て歓喜の声をあげる。
「菊乃ちゃん、来てくれたんだ!」
「気安くちゃん付けで呼ばないで頂戴。生徒会の仕事だから仕方なく来たのよ」
「(昨日の今日なのにもういつもの菊乃ちゃんに戻ってる、ちょっと悲しいけど、来てくれたのは嬉しい!)」
 が、冷静に考えてみると邪悪な菊乃が来たら状況が悪化するんじゃ?
 黒い風を纏いながら菊乃が男に近づく。
「早く飛びなさい。なんならわたしが手伝ってあげましょうか?」
 やっぱり自殺推奨してるし!
 男のほうも意地になる。
「飛ぶよ! 飛ぶから邪魔すんなよ!」