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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 一斉に人々が怯えながら道を開けた。
「下がっていろ、扉をぶった斬る!」
 格子状の扉が輪切りにされた。
 刀を鞘に収めて舞桜は屋上に急いだ。
 強風の吹く屋上。
 男がフェンスを乗り越えて、屋上の縁に立っていた。あと一歩踏み出せば落下と引力の法則を体感できる。
 男は舞桜に気付いたらしい。
「おい来るな、飛ぶぞ!」
「飛ぶのではない。落ちるのだよ」
「どっちでもいいだろそんなこと!」
 結果が同じならどっちでもいい話だ。
 遅れて夏希もやってきた。
「死ぬのはよくないと思います!」
「お前らになにがわかんだよ!」
「だからお話だけ聞きますから飛ぶのちょっと待ってください!」
 舞桜がボソッと。
「だから飛ぶのではなく、落ちるのだ」
 こだわる舞桜様。
 夏希はゆっくりゆっくり男に近づこうとする。
「ねっ、落ち着いて話し合いましょう?」
「ふむ、ならば茶と菓子を用意させよう」
 そうだね、長期戦になるならあったほうがいいよね、って何言ってんの舞桜様!
 この状況下で夏希は舞桜のことスルー。
「どうして死のうと思ったんですか?」
「将来に希望が持てなくなったんだよ、だから死ぬしかないと思った」
 その言葉をいつの間にか用意されたちゃぶ台でお茶を飲みながら聞いた舞桜。
「私が見たところ君はまだ二〇代だろう。将来を悲観するには早いと思うが?」
「俺には将来の夢があったんだ。でも一向に芽が出ないし、このまま夢を追っていてもお金もないし、今は親に頼って生活してるけど、いつかは自立しなきゃいけないし、そろそろ将来のことも考えて就職しなきゃいけないと思うけど、やっぱり夢が捨てられなかった。もしも、これからもずっと芽が出なくて、仕方なく別の道に進もうと思って遅いんだ。俺は夢に人生を賭けてたんだ、努力も時間も無駄になって、俺よりも早く就職したやつらはどんどん出世していく。就職だってなかなか決まらないだろう、バイトだってしたことがない俺が生きていけるわけないじゃないか!」
 彼の追っていた夢とはなんだろう。
 夏希は尋ねる。
「バンドマンですか?(それにしては冴えないけど)」
「小説家志望だよ!」
 そっちか!
 男の感じから漫画か小説だと思ったんだよね。
 舞桜がビシッと男を指さした。