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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 夏希はうさぎの頭を拾ってワキに抱えた。
「舞桜ちゃんが危ない、早く見つけなきゃ!」
「彼女が危ない?(おそらく?アレ?に出遭ったのだろう)その被り物は?」
 答えようとしたが夏希はあることを思い出した。
「(どうしよう、前に他言無用って言われたような)。とにかく舞桜ちゃんが危ないの一緒に探して!」
「大丈夫、心配しないで。彼女の居場所はわかっているから」
「なんで?」
「僕を信じて」
 走り出した雪弥に夏希は信じて着いていくことにした。
 向かったのは階段。そこから階段を駆け上がった。
 途中の踊り場で人影が壁にもたれかかって座っているのを発見した。
 ライトを当てようとする夏希に、
「顔に光を当てるな!」
 大きなきぐるみの手でその人物は自らの顔を隠していた。
 間違いない。
「ピンクさん!」
 声をあげた夏希の横では雪弥が怪訝そうな顔をしていた。
「(なぜだ……なぜ〈視〉えない? こいつはそこに存在しているのに、なぜ俺の〈千里眼〉では〈視〉ることができない?)怪我をなさっているようですが大丈夫できか?」
 近づこうとした雪弥をピンクシャドウは制止させた。
「近づくと殺すぞ。たしかに私は重傷でここを動けないが、貴様を殺すくらいのことはできる(くそっ、不意打ちさえ喰らわなければ)。私のことよりも舞桜様を助けて欲しい、お願いだ。舞桜様は怪物と共に屋上にいるはずだ」
 重傷と聞いて夏希が放っておけるはずがなかった。
「でも、ピンクさんが……(動けないほどの重傷なんて、死んじゃうかも)」
「私のことなら案ずるな。ここでは絶対に死なない。しかし、舞桜様の命は危険に晒され一刻の猶予もない、早く行ってくれ!」
 夏希は口を真一文字に結んで、うさぎの被り物をここに置いてから、階段を駆け上がり出した。すぐに雪弥も夏希のあとを追う。
 屋上と目と鼻の先。防護シャッターが下りていたが、何十センチもある金属製のそれには、まるで突き破ったような穴が開いていた。人の力では決してありえない?何か?。
 先に穴に飛び込もうとした雪弥が何かの力によって弾き飛ばされた。
「くっ!(バリアか……それにしてはエネルギーを感じない。何が俺の邪魔をする?)」
 夏希は雪弥が飛ばされたその部分に手を触れた。
 目には見えない何かが押し戻そうとする。まるで拒否されているかのように。
《来ないで!》