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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「どうしてわかるの?」
「僕には〈視〉えるからだよ」
 雪弥は静かに微笑んだ。
「(暗闇でもよく目が見える人なんだ)」
 程度にしか夏希は考えなかった。
 外にはまだしつこくケルちゃんがいるのだろうか?
 はぐれてしまった舞桜も心配だ。だって懐中電灯持ってるの夏希だし。
 ほかにも心配はいくつもある。
「ねえ、どうして鷹山くん学校にいるの、もう帰ったと思ってたのに?」
「大事なモノを忘れちゃって取りに来たんだけど、見ての通り閉じこめられちゃって、あはは」
「ほかにも閉じこめられた人いるのかな?」
「ほかのみんなは体育館に非難したよ。僕はほかに誰かいないか見回りしてたんだ」
「そうなんだ」
 急に雪弥の目つきが鋭くなった。
「――いた!」
 『何が?』とは聞けなかった。今まで見たことのなかった雪弥の表情に、胸を鷲づかみにされる恐怖を抱いたからだ。
 しばらくして廊下に轟々という風が吹き荒れた――窓は閉じられているのに。
 グギャギィィィィゲッ!
 何とも形容しがたい生々しい音が聞こえた。
 自分の体を抱きしめて恐怖する夏希を置いて雪弥が廊下に飛び出した。
 雪弥は自分の持っていた懐中電灯を?それ?に当てた。
 赤黒い海に沈む毛の生えた黒い残骸。肉が千切れ骨まで見ている箇所がある。痙攣をしているようだった。
「まだ微かに息があるか……(一瞬でこの有様とは、まさに悪魔の仕業だな)」
 恐る恐る教室を出てこようとした夏希の視線を雪弥は自らの手で隠した。
「見ない方がいいよ。手を引いてあげるから行こう」
「……うん」
 なるべく見ないようにした。
 しかし、血生臭さは夏希の鼻を犯した。
 足早にその場をあとにして、それからしばらく歩き続けていると、雪弥がある物を発見してライトで照らした。
「なんだろう?」
「あれは……(ピンクさんの頭)」
 首チョンパではない。着ぐるみの頭部だけがそこに転がっていたのだ。
 夏希は嫌な予感がした。
「(舞桜ちゃんとピンクさんに何かあったんじゃ!?)」
 そう考えるのが普通だろう。
 ピンクシャドウは常に舞桜のことを守るために近くにいると考えられる。そのピンクシャドウに何かがあったということは、舞桜を守るために行動したと考えるのが妥当だろう。
 しかも、頭を置いていくとはよほどのことがあったに違いない。