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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 部屋の中には窓がなかったために、電気が消えてしまうと完全にまっくらだ。
「夏希大丈夫か!」
「きゃっ、騒ぎに便乗して抱きつかないで、あっ、そこは[あぁン♪]」
「私は触っていないぞ?」
「えっ……また[あぁン♪]触らないでってば!」
「もっと幼児体型かと思ったけど、なかなかイイ体してるのねぇん♪」
 って、お前か触っとんたんは!
 暗闇の中での出来事はご想像にお任せします。
 部屋に淡いロウソクの火が灯った。
 テーブル上に乗った赤いロウソクを中心に、かろうじて部屋の中が見渡せるようになった。
 ただこのロウソクって……。
「SM道具をいつも持ち歩いていて助かったわぁん」
 ベルの私物だった。
 舞桜は腕組みをして思案したあと、深く頷いて見せた。
「これはテロだな。光の勇者がついに我がアトランティス要塞に攻めてきたに違いない」
 二度目もスルーしたほうがいいのだろうか?
 構わずベルはスルーした。
「プロブレムは停電の範囲だわね。アトランティス全域なのか、それとも学園だけなのか、何よりプロブレムなのは補助電源にチェンジしてくれないことだわ(こんなことなら、サボらないでさっさと魔導システムを完成させておけばよかったわぁん)」
 もしも停電がしばらく直りそうもないなら、こんな場所でじっとしていても仕方がない。
 夏希は席を立った。
「あのぉ〜、あたし家に帰ります」
「ムリ。インポッシブル――不可能よぉん♪」
 と明るくベル断言。
 なぜかと言うと、今からベルが説明してくれます。
「停電になると学園のドアというドアはロックされちゃうのよね。さらにこの生徒会室は学園の本丸、最後の砦、パニックルーム、とにかくこの中にさえいれば外敵からの攻撃をパーフェクトにディフェンスすることができるわ……停電になっちゃうとアタクシたちも外にも出られないけれどぉ♪」
 外からも入れない。
 中からも出られない。
 ……終わった。
 でも大丈夫、この生徒会室は万が一の事態を想定して食料が備蓄してある。お菓子だって盛りだくさんだぞ!
 ただ問題は明かりがいつまで持つかと言うことだ。
 こんな状況だが、不安そうにしているのは夏希だけ。
「夕飯までには帰れるかな?」
「ムリね」
 ベル即答。
「日付が変わるくらいまでには?」
「さぁ?」
「今晩、ここに泊まりってことないですよね?」