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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「わたしは普通じゃないの。耳を塞いでも人の声が聞こえてくる。偽善者ばかり、この世は悪意に満ちているわ。貴女も偽善差よ」
「あたしは違う!」
「うふふふっ、口で言うのは簡単よ。貴女にそれが証明できて? 貴女はほかの人間どもよりも単純でお馬鹿ちゃんだから、手に取るように心の声が聞こえるわ。貴女がわたしに少しでも悪意を抱けば、すぐにわかってしまうのよ。こんな気持ちの悪いわたしと一緒にいたいと思う?」
「思う!(勘違いしないでね気持ち悪いっていうところじゃなくて、仲良くしたいって意味だから、本当に勘違いしないでね?)」
「……馬鹿な子」
 菊乃の影が去っていく。もう足を止めることは決してなかった。
 その場に立ち尽くす夏希は、悲しさで胸がいっぱいだった。
 動けずにいる夏希の肩を誰かが叩いた。
「大丈夫、岸?」
「えっ?」
 振り向くと雪弥が立っていた。
「こんなところでぼーっとして、トイレじゃなかったのかい?」
「え、あ、うん、もう大丈夫。でもあの、鷹山くんがどうして?」
「僕もトイレ……っていうのは嘘で、岸の様子が変だったから。トイレじゃなかったんだろ?」
「あたしを追いかけてきたの?」
「まあね」
「うん、ありがと(魅神さんじゃないんだ)」
 なぜか夏希の心は痛んだ。
 菊乃と雪弥の関係。
「(あたしじゃなくて鷹山くんが魅神さんを追いかけてきてたら……)ねえ、鷹山くんって魅神さんのことどう思ってるの?」
「変わった子だよね」
「それだけ?」
「どうしたの急に?」
「ううん、忘れて何でもないから(鷹山くんは何も思ってないんだ)」
 また夏希の心は痛くなった。
 雪弥がニッコリと笑う。
「戻ろうか?」
「うん」
 夏希は元気なく小さく答えて頷いた。

 しゃべるだけで爆乳が揺れるベル。
「そんなわけだから、アナタたち明日は休日返上で細菌テロと戦うのよぉん!」
 というところで部屋に帰ってきた夏希と雪弥。
 最後のベルのセリフだけ聞いてもなんのこっちゃわからない。
 たぶん最初から最後まで聞いてもわからないような気がすると思う。
 しかし、順応性の高い雪弥はすかさず答えた。
「明日はどうしても外せない用事がありますので、申し訳ありませんが参加できません」
「うむ、用事があるのならば仕方あるまい」
 と、すぐに舞桜が承諾。