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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 目の前で起きたことを見ていなかったように、舞桜は淡々と話を進めようとしていた。
「では、話をしてくれないかベル?」
「それじゃあ、耳の穴をかっぽじってリスニングしなさぁ〜い!」
 すっかりベルもいつもの調子。
 雪弥も何事もなかったような顔をしてベルの話を聞いている。
 この中で夏希は疎外感を抱いていた。
「(なんでみんなこんなに……冷たいんだろう)えっと、ちょっとトイレ行ってくるね。話進めてていいよ」
 夏希は立ち上がって部屋を飛び出した。

「(追いつけるかなぁ)」
 夏希は菊乃を探していた。
 トイレに行くというのは嘘八百で、会議をすっぽかしたのだ。あくまで会議が嫌だったのではなく、あくまで菊乃を探すためだ。
 すぐに廊下の先を歩いている菊乃を見つけられた。
 舞桜が足を速めると、菊乃も速めた。
「待って魅神さん!」
「…………」
 華麗にシカト。
「待ってってば!」
「…………」
「菊りん待って!」
 ピタッと菊乃は足を止めて、嫌そ〜な顔をしながら振り返った。
「菊りんってなに?」
「気に入らなかった? じゃあ(菊ぴょんとか、シンプルに菊ちゃん?)」
「どれも嫌よ、気安く呼ばないで頂戴」
「(あ、心読まれた)でもでも、だってあたし魅神さんと仲良くしたいから」
「嘘ばっかり」
 吐き捨てる菊乃を見つめる夏希の瞳は澄んでいた。
「ウソじゃないよ。だって魅神さんあたしの心が読めるんでしょ? だったらあたしがウソついてないってわかるじゃん!」
「…………わたしだって全てが聞こえるわけではないの。もう構わないで」
 立ち去ろうとする菊乃の腕を掴もうと夏希はした。
「待って!」
「触れないで!」
 声を荒げて菊乃は夏希の手を強烈に叩き落とした。
 ヒリヒリと痛む手を押さえながら夏希はとても悲しい顔をしていた。
「ごめんなさい(怒らせるつもりはなかったのに……)」
「次に触ったらその手を切り落とすわよ」
 そう言って背を向けて歩き出した菊乃。
 影が少しずつ遠ざかっていく。
 三メートルほど離れたところで夏希が囁いた。
「どうしてそんなに人を遠ざけるの?」
 菊乃は背を向けたまま答えた。
「貴女に何がわかると言うの?」
「わからないから聞いたのに……(だって魅神さんのこと知りたいから、もっと仲良くなりたいから)」