まおー転生
とりあえずこれでお約束の召喚失敗騒動も解決したわけだ。
と思ったのもつかの間、なんとチワワが起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている!
くぅ〜ん。
潤んだ瞳のチワワに見つめられ、ぽわ〜んとした空気でその場が和やかになった刹那!
一変して凶暴な形相になったチワワがベルに牙を剥いた。
「アタクシに牙向けてるんじゃないわよ」
スカートから伸びるベルの長い脚がチワワのアゴを蹴り上げた。
一発KO!
きっと、チワワの顔は敵を欺く擬態だったのだろう。敵が油断したところで、本性を現して真の力を発揮する予定が、あっけなくベルの蹴りで泡を吹いて気絶してしまった。哀れだ。
舞桜が『うむ』と声を漏らした。
「首輪が必要なようだな」
まだ飼う気なのか……。
もうなんだか夏希はどっと疲れてしまった。
「(みんなのノリについてけない)」
仕方ない。周りがみんな変態変人なんだもの。
何かを思い出したようにベルがポンと手を叩いた。
「あぁん、そうだったわぁん。これからアタクシのインポータントな話があるから、臨時生徒会会議やるわよ。生徒会室にハリーアップなさぁい!」
勝手に話を進めるベルに夏希は素朴な疑問が湧いた。
「どうして鈴鳴先生が生徒会の仕事に関わってくるんですか?」
「だってアタクシ生徒会の顧問ですもの!」
「えっ?(顧問なんていたんだ)」
知らなかったよ〜ん!
生徒会が発足してから、そんな話一度も出ていなかったのだ。というか、顧問とかいなくても舞桜がどんどん話を進めていた。
そんなわけで、ホントかウソか、次回話は急展開を迎えるのだった!(というテキトーな前振り)
作品名:まおー転生 作家名:秋月あきら(秋月瑛)