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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「入試でトップの人が挨拶するらしいよ。あの子、全教科満点だったんだって」
「ホントに!?(やっぱり頭の良い人って変わってるのかな)」
 ビックリしながらも妙に納得してしまった夏希。納得できるレベルなのか?
 周りの空気など気にせず菊乃は話を続けている。
「わたしは大勢の前に立ちたくはなかった。怨み決して許さない、退学という暴力を突きつけ、わたしをこの場に立たせた――そこの女を」
 狐面が振り向いた先にいたのは桜色の髪をした舞桜だった。
「君が駄々をこねるから、仕方がなく退学という言葉を持ち出したんだ。しかし、結局のところ君は屈したのだよ、その場に立っているのだから」
「復讐は近いうちにするわ。この学園の悪しき裸の王様のあなたから、権力も財産もすべて失わせてあげる。路頭に迷ったあなたを誰も助けてはくれない。人知れず汚い路上で朽ち果て、野犬に喰われ臓物を[自主規制]て死んでいくのよ」
「身ぐるみを剥がされ、地位や名誉を奪われようとも私は構わない。もっとも大切なモノは君ですら奪うことはできない――それは勇気だよ」
 凛と言い放った舞桜は神々しいまでに輝いていた。スポットライトを当てる黒子が良い仕事をしているからだ。
 菊乃は踵を返して舞桜に背を向けた。負けを認めたわけではない。
「あなたは手強いわ。けれど、すでに弱点は見つけてあるから、楽しみにしていて頂戴」
 そのまま菊乃は壇上を降りてホールの出口へと歩き出してしまった。
 途中、菊乃は一度だけ足を止めた。
 狐面が見つめるその方向には――?
「……え?(あたし?)」
 夏希は眼を丸くした。
「そう、貴女よ」
 遠く離れた場所で、尚かつ小さな声だったため、菊乃の言葉が夏希に届くことはなかった。
 しかし、その言霊は確かに夏希の背筋をゾッとさせた。
「寒っ!」
 微妙になってしまった空気を持ち直そうと、スタッフが女子アナに司会の続行を促しているのだが――アレ、音声が入らない?
 誰だマイクの電源落としたヤツ!!
 ハッとした人々が脳裏に浮かべたのは妖狐の少女。妖術か、妖術とか駆使したのかッ!
 騒ぎを治めようと舞桜が壇上に立とうとした瞬間だった。
 頭上からライト落下!
 絶対に呪いだ!
 落ちてくるライトを悠長に見つめる舞桜はまったく動じていない。だが、逃げるそぶりも見せなかった。