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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 いつの間にか何メートルか後ろに下がっている観客も声を押し殺している。
 耳を澄ませば夏希の激しい心臓の鼓動だけが聴こえてきそうだった。
 そう、耳を澄ませば……聞こえてきた叫び声?
「ぎやぁ〜!」
 嗚呼、デジャブー。
 その叫び声を発したのは言わずと知れた覇道ハルキ、その人だった!!
 経緯に関しては脳内補完でどうにかするとして、目で見える現実を語るならば、ウエディングドレスを着たゴリラ(♀)に追っ掛けられてるということ。
 思わず菊乃もそちらに気を取られた瞬間だった。
 気配がした!
 すぐに菊乃も勘づいた。
「そこ!」
 菊乃が投げた短刀が何かに刺さった。
「……くっ」
 歯を食い縛る音が聞こえた刹那、閃光が辺りを包んだ。
 白い世界で声だけが聞こえた。
「きゃっ、なに!?」
 夏希の声。
 やがて白い靄が晴れて視界が開かれると、なんと夏希は舞桜の腕に抱かれていた。
「天道さんが助けてくれたの!?」
「いや、夏希が私の胸に飛び込んできたのだ。そんなに私に抱かれたいなら、普段からもっと抱きついていいのだぞ」
「(……絶対この人じゃないし。もしかして、やっぱりピンクさんが……あっ、ナイフ)」
 正確にはナイフではなくて短刀だ(そんな細かい説明いりません)。
 地面に落ちた血の付いた短刀。
 確かに菊乃の投げた短刀は何者かに刺さり、その後その場に残されたのだ。
「ぎやぁ〜!」
 あ、ハルキのこと忘れてた。
 グングン後方からゴリラに追いかけられて走ってくるハルキ。気付けば舞桜たちを抜いていた。
 急に夏希の体が持ち上げられた。舞桜がだっこしたのだ。
「後れを取った、行くぞ夏希!」
 だっこしたまま舞桜が走り出した。
 それを慌てて追う菊乃。
 だが、ハルキはゴールテープ目前。
「オレ様一位?」
 必至すぎて今気付いたらしい。が、それもつかの間の夢。
 ゴリラアタック!
 上空から飛んできた巨漢のゴリラがドーンっとハルキに落ちた。
「うぇっ!」
 ご臨終ですハルキさ〜ん!
 その隙に舞桜&夏希ペアがハルキを抜いた。
 しかし、菊乃がここで黒い風を放つ。
「させるかッ!」
 菊乃の眼にも見えた――ピンクシャドウが!
 一瞬で掻き消された黒い風。
 だが、まだ菊乃はあきらめない。さらなる攻撃を仕掛けようとしたとき――。
「そのくらいでいいだろ、魅神」