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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 舞桜たちの進むべき前方に立っている黒い影。
「待ちくたびれたわ」
 無機質な狐面が嗤ったような気がした。
 ラスボス登場!
 その名も魅神菊乃!
 あれ……でも、だいぶ前からいるっぽいということは、すでに菊乃がゴールしちゃってるのか?
 舞桜は慌てる様子もない。
「何者かがゴールしたらアナウンスがされることになっている。さらに上位五名が決定した時点で選挙は終了、コースにいる生徒は特別班によって回収させることになっている。なぜ君はまだゴールしてないのだ?」
 そうなの?
「わたしはここに一位でたどり着いたわ。そして、まだ誰も決勝線に到達していない。いつでもあなたから生徒会長の座を奪うことができた。わたしに負ける筈だったあなたに情けをかけて機会をあげたの。でも、あなたはこれから屈辱を味わうことになるわ。わたしの目的はあなたを生徒会役員にすらさせないこと。それも途中棄権ではなく、目の前で他の生徒たちに抜かれていくのよ」
 なかなか面倒くさいことをするもんだ。さっさとゴールしちゃって、さっさと舞桜を生徒会長にさせなきゃいいのに。たぶん舞桜は生徒会長しか興味ないんだから。
 悪役ってものは回りくどい作戦を立てたり、無駄に饒舌だったりすることが多いが、まさに今の菊乃はそんな感じだ。
 そんな予定調和な悪役の敗北フラグが、多くの正義の味方を勝利に導いてきたのだ。
 ただし、この法則が当てはまるのは、本当に菊乃の側が悪役だった場合。
 舞桜と菊乃がどんなバトルを繰り広げるのか、そこんところは想像も及ばないが、とにかくイケナイことが起こると夏希は察した。
「二人ともやめてよ、仲良くして。新入生挨拶を無理矢理やらされただけで、魅神さんもそこまでして天道さんにしなくても……」
「そうね確かに……」
 菊乃は頷いたが、
「けれど、わたしが受けた屈辱はそれだけではないわ。よりによってこの女は、わたしから面を取った挙げ句、接吻までしたのよ!」
 ビシッとバシッと菊乃の指が舞桜に突き付けられた。
 舞桜は『何が?』という顔をしている。
 そんな横に立っている夏希は回想モードに突入していた。
「(あたしと同じだ。いきなりキスされて……婚約者……もしかして魅神さんも!?)」
「わたしは婚約者じゃないわよ」
 嫌そうに菊乃が囁いたのを聞いて夏希はビックリ仰天。