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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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「いや、このほうが早い。ロスしてしまった時間を取り戻さなくてはならないからな」
 そういえばエクストリーム生徒会選挙の途中だった。
 舞桜の目的は一位通過で生徒会長になること。
 夏希は生徒会役員なんてやりたくもない。
 ここで夏希は考える。
「(ずっとだっこしてもらってるわけにもいかないし。別にあたしの体重が重いわけじゃなくて、天道さん足ケガしてるから。ぜんぜんそんな風に見えないくらい動いてるけど。それって無理してるのかも、本当は足痛いのに、無理してそんなそぶり見せないようにしてるのかも。だっこしてもらってなくても足手まといになるし、天道さんは一番でゴールしたいわけだし、あたしのことはここに置いて……)」
「ぎやぁ〜っ!」
 どこか遠くから聞こえた悲鳴。
「…………(やっぱり天道さんについて行こう)」
 心に固く誓った夏希だった。

 すでに脱落者や病院送りになった生徒が多数。
 さすが恐怖のエクストリーム生徒会選挙!
 そんなことなどつゆ知らず、とにかくゴールを目指し突き進む舞桜&夏希ペア。
 大蛇との死闘や、底なし沼の恐怖、落とし穴や地雷トラップ、ゴリラとの花嫁争奪腕相撲大会などなど、数々な目白押しの困難を掻い潜りゴールはすぐそこだった。
 ついに舞桜たちはジャングル地帯を駆け抜け、草原地帯までやってきていた。
 巨大なゴールゲートが目でも確認できる。
 ゴールに向かう舞桜たちを中継車が追いかけ、その勇姿がアトランティス全土にライブ放送される。
 躍動する筋肉、煌めく汗、青春の輝きがそこに……あるかいッ!
 もう必至も必至も必至です。
 夏希は死相を浮かべ、スタート前に比べ一〇キロくらい痩せちゃったんじゃなかってくらいやつれている。放送ギリギリの顔だ。
 舞桜のほうはというと、制服の所々に汚れや傷があり、表情も少し疲労を感じさせるが、麗人オーラは崩れていない。さすがである。
 大勢の人々が左右に分かれてゴールに続く栄光の道を作っている。
 この道を抜ければ、この道さえ越えることができれば、ゴールの栄冠は……。
「舞桜様がんばれーっ!」
「天道様がんばってください!」
 どこまでがエキストラなのかは不明だが、その声は舞桜を勇気づけているに違いない。
 ゴールはもう目の前――だったのだが。
 急に舞桜の足が止った。
 立ちこめる黒い邪気。