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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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まおー転生

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 一方、ハルキはいつの間にか緊縛されて、なんだかSMで見たことありそうな縛り方で宙吊りにされていた。
「おい、オレ様のことも助けろ!」
 だが無視!
 舞桜の視界にハルキは入っていない。入っていたとしても、認識していない。
「おい、オレ様のこと助けろって聞いてんのかよ!」
 だがシカト!
 ついに触手が舞桜に襲いかかる。
 舞桜も地面を蹴り上げた。
 刹那、舞桜の瞳に紅い炎を飛び込んできた。
 なにが起きたのか数秒を要した。
 突如、触手が紅蓮の炎に包まれ燃え上がったのだ。
 夏希は『あっ!』と小さく声をあげた。
 一瞬、ピンクシャドウが見えたような気がしたのだ。
「あっちぃ〜!」
 触手から逃げ延びたハルキが尻に火をつけて走っていく。
 突然の出来事にも舞桜は冷静に腕組みをして結論を出した。
「うむ、自然の猛威だな。雨露がレンズ代わりになって火災が起こることなど多々ある」
 それにしては一気に燃えすぎじゃ?
 火の手が早すぎて飛び火しちゃってるようにも見えますが?
 気付けば辺り一面火の海にも見えますが?
 あれ……いつの間にか火に囲まれて逃げ場失ってない?
 ……みたいな。
 どこからともなくボソッと声が聞こえた。
「……あ、やりすぎた」
 燃えさかる音に掻き消され、さらにパニくっている夏希の耳にその呟きは届かなかった。
「天道さん! どうしよう、逃げられないよ!」
「チャンスはいつ巡ってくるかわからない。まずは冷静になることが大切だ。そうすればチャンスを逃さずに済むものなのだよ」
「そんな悠長な! あの、え〜っと、あの男子どこ行ったの!」
「ハルキならとっくに逃げたのではないか? 実に賢明な判断だ」
 炎の壁が舞桜たちに迫ってくる。
 気配はしなかった。けれど、その影はいつの間にか夏希の前に立っていた。
「女、下がっていろ。この事は他言無用だぞ」
「えっ、ウサギ!?」
 夏希の前に背を向けて立っているピンクのウサギ――のきぐるみ!?
 舞桜は驚いた様子も見せていない。それどころかピンクウサギに視線を合わせようとしていない。
 ピンクウサギはゆっくりと片手を上げ、手のひらを炎に向けた。
「トルネード!」
 高らかな声と共に突風が巻き起こり、炎の一部を掻き消し、海を割ったような一本の逃げ道を作った。