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みち

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亜っちゃんの肩に乗り案内碑を見ていると…
「死と再生の地上曼荼羅…いい響き」などと自己陶酔するアラフォー男。
いい加減この癖止めればいいのに。

「おぉ、あれは…男女を示す巨石か」
案内碑の右斜め前にトラロープで囲った場所がある。
そこには巨大すぎな、イヤ…立派な男女のシンボルがあった。
どんだけな程の大きさ。

そして、緩やかな傾斜を登り切ると目的の金勢様が祀られている祠。
左側にはこれも立派な巨石とお清めの水。そこに案内板がある。

コンセイサマ

コンセイサマは、金勢様又は金精様と書きます。
子宝を願う婦女子が、ここに奉納されている赤い小枕を一つ借りてきて枕元に置き、
願いが叶えられれば二つにしてお返しするならわしです。

御神体は、男性の象徴を現し、すべての物事を神に結びつけた民間信仰に由来するもので、これは駒形信仰とも混同されるようになりました。
が、本来は生産の神として信仰されたもののようです。
「遠野物語」第16話 参照
と、書かれていた。

「一方では子を授かるのを必死に願い。そして、また一方では…かっ」
えっ、何。亜っちゃん何が言いたいの。

…亜っちゃんは本堂へと歩き出し薄暗い内部を覗き込む。
立派な御神体と共に、小さなキューピーも祀られていた。

最後に見つけた思い出ノートに、ほんの一行書き込み山崎のコンセイサマを後にした。

帰り際、見つけた樹木に実っていた実は一見すると妖怪の手のようにも見え…
亜っちゃんはニヤニヤしながら写真を撮っていた。

そして、次の目的地【かっぱ渕】へと向かう。

作品名:みち 作家名:槐妖