左手ピース
04.学食のメインディッシュ。
オッス! オラ鈴木浩太! 某週刊少年誌で主人公になれないような名前の高校二年生だ!よろしくなッ!!
今日は前回からだいぶ時間が空いちまったからよ、あらすじをオメェらの前で説明すっぞ!よく聞いてくれよな!!
それは、今からはるか昔の20XX年のある日のこと。メガドッギ星からやってきたとある青年、アリミッド・ゴーザナスは地球人の美しき姫、エリーの前に突如現れた。赤い瞳に見つめられ、困惑を隠せないアリーだったが、徐々にゴーザナスと打ち解けていく。そして惹かれあっていく二人。地球人とメガドッギ人との間に芽生える禁断の恋。二人は想いを深め合う日々を送る。
だが、そんな幸せな日々に恐ろしき影がしのびつつあった。降って湧いた災難、カリーの父が突然二人の仲を引き離そうと様々な試みを企てる。それに気づいたゴーザナスは……。
「エリー! 君は先に行くんだ!」
愛か、
「フハハハハハ!! 貴様にできるものか!!ハハハハハハ!!!!……戦闘員配置だ」
「はっ!」
地球か。
「いけないわ」
「大丈夫。俺は誰だか忘れたかな。メガドッギ星と地球の英雄で?」
「私の、王子よ」
今、戦いが始まる。
「よし、いい子だ」
――― A Voice in the Wilderness ―――
孤独な革命者
「ゴーーーーーザナアァァアアアァアアアアアス!!!!」
Coming soon.
前売り券絶賛発売中!ツイッターも要チェック!!
「あの、先輩、お取込み中失礼しまーす。お返事をもらいにまいりましたー」
本当に今、取り込み中なんだ。ゴーザナスがエリーとの愛の為に必死に彼女の親父と戦ってんだよ。
「なんすか、これ。てか、ちょくちょくエリーの名前ミスってますよね」
「絶賛パニック中なんだよ。しょうがないんだよ。父さんもパニクって戦闘員配置させちゃったんだよ」
「エリーの名前、最終的には美味しそうになってますよ」
「うるさい」
「好きです」
「カレーが、か。それは奇遇だな。オレもカレー大好きなんだ。学食で」
「先輩が、好きです。大好きです」
「うるさい」
最後まで喋らせてくれ、頼むから。
「これからもっと好きになりますよ?絶対に」
そんな絶対な愛を宣言されましてもどうしたらよいのか分からないものでして。どうせならオレ自身の将来の絶対の安定を宣言してほしい訳でして。そしてこのエリーがゴイザックだかゴリラックに出逢った時の彼女以上の混乱と困惑をなんとか鎮めてほしいのです。
「好きです」
「うるさい」
「好き」
「うるさい」
「好き」
「うるさい」
「好き」
「…うるさい」
「好き」
「……うるさいよ! ぬおー!オレは学食でカレーしか食べません!!」