天上万華鏡 ~地獄編~
「私がしてしまったことは取り消せぬ! 今からということはないのだ!」
「ジャッジ様!」
ここまで取り乱すとは思ってなかった。もっと冷静に思考すると思っていた。トロンの大きな誤算だった。
「もう…俺に構わないでくれ。もう君たちの邪魔はしないから」
日頃のジャッジの面影は全くなかった。それほど衝撃的な事実だったのである。トロンは最早何も言葉をかけることができなくなった。
ジャッジはふらふらとしながら歩いていくと、刑事裁判局局舎に入っていった。トロンはそれを呆然と見送ることしかできなかった。
衝撃の事実を知ったジャッジ。彼の動きが物語を更に意外な方向に導くことになる。
作品名:天上万華鏡 ~地獄編~ 作家名:仁科 カンヂ