朧木君の非日常生活(12)
━━村は、滅びた。
ただ一人を残して。
そして、その一人は自ら首を括った。
そう当たり前だ。
勿論、
━━村が、消えた。
明らかに頭が狂っていた。もしかしたら、そういう病気にかかっていたのかもしれないし、単に狂っていただけなのかもしれない。
何故、気づかないんだろう。
自分達が村人を消していたことに。
何故、気づかなかったんだろう。
自分達で村を滅ぼしたことに。
これが鎌鼬村。
そして、夢の中の俺は意識が遠退いていく。
作品名:朧木君の非日常生活(12) 作家名:たし