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朧木君の非日常生活(12)

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暗闇の中で、俺は夢を見ていた。

『鎌鼬村』そう呼ばれる村が、まだ過去の遺物にならない時の話だ。
多分、そうだ。
直感的に分かる。
俺はこの村を第三者としてしか見れていないが、ここは昔の鎌鼬村だということは分かった。

鎌鼬村は閑散とした村で民家がぽつぽつとしかない場所だった。
しかし、対象的に人々は明るそうで慈愛に満ちていた。
手を取り合い、畑を耕し、農作物を育てていた。
とても暖かい人々だった。
時には祭りのように酒を飲み、時には祭りのように踊り狂い、時には祭りのように騒いだ。


なのに、村人の少年が一人、消えた。


とても不可解だった。
目撃者など一人もいない。
村人が総出で捜索をしても見つからなかった。

そして、また一人、若者が消えた。

またしても見つからなかった。

そして、今度は大人が一人消えた。

村人はこの異常事態に神に祈るようになった。
それでも、人が消えることは止まらなかった。
狂い始めた村人は、人一人を神に捧げることにした。
幼い女の子を一人、神に捧げた。

そう、人柱というのだろうか。

ここまでの夢を見て俺は必死に「やめろ!」と叫んだ。
しかし、俺の声は虚空に消えるだけ、残響すら残らなかった。


人を捧げ始めると、人々が消えることはなくなった。

それからと言うもの、村人たちは家を建てるのも、畑を新しく作るのも、子供を産むにしても、神に人を捧げた。

そして、