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僕に神様は居ない

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皆噂してる。
でも、それが真実かどうかなんて分かるわけ無いんだ。
だって、僕はその場に居たけど病になんてかからなかった。
目が合ったのに…。

だから、僕は思うんだ。
彼は悪魔の子じゃないって。
なぜか?そんなの簡単だ。
僕は僕が悪魔なんじゃないかって疑ってるんだから…。

怖いものは人のせいにしたがる…。
それが人間なら、何故彼だったんだろう?
彼はきっとたくさんのものを失っただろう。
僕みたいにはじめから何も無い人間なら、辛くなかっただろうに。
なんで、彼だったんだろう…?

「神様がいるんだとしたら…」

神様がいるのなら

「なんで僕から…」

なんで彼から

「いつも大切なものを奪うんだよ…」

いつも笑顔を奪うんだろう?

「失って、奪い返せたらどんなにいいんだろう…」

奪い返してみようか…?

「奪い返せたら…こんなに苦しくないのに」

…君の代わりに僕が奪い返してみようか?

「…もう…生きていたくない」

奪い返したら生きてくれる?
なら、奪い返してみようか?
僕が君の大切なものを・・・


作品名:僕に神様は居ない 作家名:緋砂