朧木君の非日常生活(11)
「それじゃ、また手分けして調べようか」
俺と蜻蛉さんは本日五件目となる民家を調べ始めた。
「・・・・・・朧木くん。ちょっと待ってくれ」
二手に分かれて調べようとした矢先に、蜻蛉さんが俺を制止した。
「何か変だよ、朧木くん」
・・・・・・変?
何が変なんだろう。
「何かは・・・・・・分からない。だから、変なんだ」
「ちょっと待ってよ、蜻蛉さん。俺には全く持って分からない」
「何だろうね・・・・・・。 ん? ・・・・・・音・・・・・・? 音が聞こえないか? 朧木くん」
音? 蜻蛉さんにそう言われ俺は全神経を耳に集中させた。
その神経が集中している聴覚が捕らえたのは、
泣き声・・・・・・?
作品名:朧木君の非日常生活(11) 作家名:たし