朧木君の非日常生活(11)
勢いよく障子は両側に開かれた。
すぐさま蜻蛉さんがLED式のライトで部屋の中を照らした。
そこにあったのは。
━━日本人形
いくつもの日本人形が並んでいた。
俺たちを見つめるかのように並んでいた。
今にも動き出しそうな表情。
職人たちが匠の技でしあげたであろう日本人形が、この時ばかりは、恐い。
人の恐怖を逆撫でするかのような畏怖だ。生理的な部分に直接訴えかけて来るかのようだ。
本当に、恐い。
言葉を飾らなくたっていい、単純に怖いのだ。
作品名:朧木君の非日常生活(11) 作家名:たし