小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

CROSS 第6話 『死守』

INDEX|15ページ/20ページ|

次のページ前のページ
 


 山口はうまく大型ロボットの影に隠れることができていた。モビルスーツに見つからないないようにこそっとのぞいてみると、佐世保たちもなんとか無事に隠れられているようだった。モビルスーツは辺りを探していた。塹壕からは叫び声や威勢の良い声が聞こえてくる。塹壕は隊員たちが優勢を保っているが、敵の数が多いため、長くは持たないだろう。
 そのとき、山口の胸のバッジが振動し始めた。通信が入ったことを知らせるためだ。バッジに触れる山口。
「……山口さん、どうやりますか?」
通信相手はヘーゲルではなくウィルだった。
「死角の足元にもぐりこめ」
「近づくのは無理ですよ。うまくもぐりこめたとしても、動き始めたら追いつけませんよ」
「クソ。この距離からじゃあ塹壕に戻るのも無理そうだな」

   ウィィィン!

 そのとき、山口の背後でモーター音がした。驚いた彼が後ろに銃を向けると、
『私は敵ではありません』
そう音声を発したのは、生き残りのオートバイ型ロボット『モト』だった。そのロボットを見た山口は、何かを思いついたようでニヤリとしていた……。その顔は、ターミネーターの『T−600』みたいだった……。



   ウィィィィィィィン!!!

 モビルスーツは、音の方向をさっと見る。モビルスーツの目の前を何かが高速で通り過ぎていった。通り過ぎていった方向にモビルスーツは向き直す。すると、モビルスーツの胴部分に機関銃の銃弾がバシバシと当たった。銃弾が当たった部分が少しだけへこんだ。
モビルスーツがその銃弾を撃った「何か」をじっと見た。その「何か」も停止してモビルスーツをじっと見ていた。
 その「何か」とは、オートバイ型ロボット『モト』とそれに乗った山口だった。モビルスーツは、マシンガンを彼らに向けて撃った。しかし、着弾したのは、すでに走り去った直後だった。山口を乗せたオートバイ型ロボットは、モビルスーツを中心に円を描くような走りかたで走っていた。ただ、このロボットは人を乗せて走るということを設定して造られていないためシートが無く、彼は尻が痛そうにしていた。
 モビルスーツのマシンガンの弾が山口たちを襲ったが、オートバイ型ロボットは飛んでくる弾を華麗に避けていった。マシンガンの弾が切れ、モビルスーツがリロードをし始めた。それを見た山口は、すぐにオートバイ型ロボットを急停止させ、自動小銃のグレネードランチャーからモビルスーツに向けてグレネード弾を放った。