マスクホン少女
ある日私はある男子から告白を受けた。
「君の声が好きです」
「いつまでも聞いていたい」
「それと練習の時、皆をまとめる姿も好きです」
『つまり、俺は君が好きです』
恥ずかしい言葉の連続だけど、嬉しかった。
でも、私は少し悩んだけど、断った。
好きは好きだったけど、恋愛の好きじゃなかった。
仲が良い男子。
それだけ。
それに彼の事を好きな娘を知っていた。
だから尚更受け止めなかった。
それから時間にして約三分。
この短い時間の中、私は親友を失った。
…本当に親友だったかはわからないけど。
『あんたの声なんか、もう二度と聞きたくない!』
私は何かを言い返した。
今となっては覚えていない。
ただ、その会話のやりとりの中で、とてもショックを受けた事だけは覚えている。
すぐにでも泣き出したかった。
それまでは普通の友達だった。
話しているのが楽しかった。
気に入られたいと思って言葉を発したわけじゃなかった。
…嫌われたくはなかったんだけど。
でも結局嫌われてしまった。
私とあなたは友達じゃなかったの?
それから私は言葉を発するのが嫌いになった