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朧木君の非日常生活(10)

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「くくく、どうしたんだい、朧木くん。腰なんか抜かしちゃってさ。実に滑稽だよ」
何を言ってるんだ。
何を言ってるんだよ。
無理だよ、マジで。
無理無理無理無理無理無理無理無理無理、無理だ!
「もう無理だよ、蜻蛉さん!滑稽とかじゃねぇよ!」
帰りたい。
本気で帰りたい。
「『それが』無理な話さ、朧木くん。そして、さっき僕が言った言葉には語弊があったね、訂正させてもらうよ。申し訳なかった。少しだけ話に付き合ってくれないか?」
蜻蛉さんのその言葉に俺は無言で肯定した。
「まず、僕たちは鎌鼬村に捕らわれた。これはまず間違いない。決して、神隠しじゃない。『捕らわれた』んだよ。理由なんてない、根拠もない、だけど確定だ。それに、噂は真実だった。噂と真実が混ざりあって一つの仮定が出来上がる。これは、まだ仮定の段階だから話はしないけどね」
蜻蛉さんの難しい話に脳内が急速に冷えていく感覚がした。
熱した鉄に氷水をぶちまけるかの如く。
冷めていく。
覚めていく。
醒めていく。
冴えていく。
事実、俺は帰ろうにも一人では帰れない。
日中の明るい時間ならまだしも、こんな夜中なんて考察の余地もない。
実際、俺は蜻蛉さんに助けられた。
もし、あそこで蜻蛉さんが女の子を消してくれなかったら俺は、