小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
かいごさぶらい
かいごさぶらい
novelistID. 16488
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

かいごさぶらい<上>お茶の間とヘルパーさん

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

「しらん、お~たことない、あんた、わたし、ほっとくんかー!」母の機嫌が悪くなる予兆の表情だ。

「ほっとけへんで~、直ぐ、近くやからな~、直ぐに、帰ってくるやん」

「ほんまか~、すぐ、かえってくるのん?」

「うん、直ぐやでぇ」ピンポーン。

「あーっ、来はったよ~」

「00さん、00です、お早うございます」

「ほら~、お袋ちゃんのこと良~知ってる00のヘルパーさんや~」

「お早う、ございます、よろしくお願いします」私は信頼しているヘルパーさんに挨拶する。ヘルパーさんは、直ぐに母の両手を包み込み。

「00さん、00です、今日は~!」

「わーっ、ヘルパーさんや!、にいちゃん、きはったわー、きはったわーうれしぃー!」と、母の機嫌が一変する。

「それじゃー、行ってきます、よろしくお願いします。お袋ちゃん、行ってくるわな!、バイバ~イ」

「00さん、兄ちゃん行きはるよ~、バイバ~イ」

「うん!バイバ~イ」笑顔で手を振る母。さすが、プロである。(お袋ちゃんを、頼んますぅー)。





   「これぇ、わたしかぁ?はっははー、だいぶとしやなー!」ヘルパーさん、その(2)

2005/6/28(火) 午後 1:21
某月某日 先日、デイ施設で今月がお誕生日の方達の、パーティが開かれた。母も90うん歳の誕生日を迎えた。その時の写真が出来上がってきた。00施設のヘルパーさん職員の皆様、このブログを借りて御礼申し上げます。その時に撮った写真を見た母は。

「これぇ、わたしかぁ、はっははーっ、だいぶとしやなー、よ~うつってるやん、な~にいちゃん!」

本当に嬉そうだ。何度も同じ事を繰り返し「写真」を何度も私に見せる。(良かったなー、お袋ちゃん)。





   「そんなこと、せーへんわ!」ヘルパーさん、その(3)

2005/6/29(水) 午後 0:52
某月某日 毎月、ケアマネージャーさんと、母の翌月のケアプランの打ち合わせを行う。ケアマネさんは、兎に角お忙しい。何時も、ハードスケジュールの合間を縫って、私との時間調整をしていただいている。母は、一体何人の人達に支えられているのだろうか、ただただ感謝。

「00さん、来月から、こういうケアプランを提案させて頂きたいのです」と、ケアマネさん。

「はい、そうですか」差し出された、母の1か月分のケアプランの用紙に目を落とす。

「00さんは、金、土曜日ぐらいになると、だいぶ、お疲れモードになるようですから」と、母の様子もしっかりと把握。

「木曜日は、デイ施設ではなく、家にヘルパーさんを派遣して頂いてケアするようになるんですね」と私。(母が施設で結構暴れるのだ)。

「はい、そうです。ず~と、毎日デイだと、週末は少しイライラされて、お疲れのようですから、そういうプランを立ててみました」

「そうですね、土曜日の入浴を、お袋ちゃんは、良く拒否するみたいですから」

「はい、まあ~、こんなこと、あれですけど、足を蹴ったり、とかですね、アザができた介護士さんもいましてね」

「は~、それは、私も、聞いてまして、私も、やられますんで。一日間を空けてやる、このケアプランで、そういうことがなくなれば、ご迷惑かけずにすみますし、来月から、このケアプランで、よろしくお願いします」

その日の夕方。

「お袋ちゃん、来月からな、木曜日は学校休みになるんや~」

「ふ~ん、なんで?」

「毎日行ったら、疲れるやろ~」

「つかれへんわー!」何時もながら、少しの異変も見逃さない、感の鋭い母である。

「うん、、、そやけど、お袋ちゃん、時々、お風呂いやがるやろぅ」

「おフローッ!、はいったことないわー?!」

「そうか~、まあ~な、それはえ~ねんけどな、毎日、行かんでも、一日学校休んでその日は家でゆっくりしたほ~が、え~んちゃうんかな~」

「わたしを、ほったらかしかー!」

「そんなこと、せ~へんよ。その日はな、ヘルパーさんが、ちゃんと来てくれはるから」

「ふ~ん、それやったらえ~やん!」

「ほんだら、そうしてもらおな~、ヘルパーさん、蹴ったりしたら、あかんで~」(しまった、余計なことを)。

「あほちゃうかーっ、あんたわーっ!わたしぃ!、そんなこと、せーへんわ!」決して聞き逃さないのだ。

「そらそう~や、お袋ちゃん、ヘルパーさん、好きやもんな~」と、前言を消そうとする私に。

「あたりまえやわー!」と母が一喝する。来月から、母の新しい、ケアプラン生活が始まるのだ。異変を微塵も見逃さない。凡人の私では、ハナから勝負にならないのだ。






   「だれが!、そんなきたないこと、せーへんわ!」ヘルパーさん、その(4)

2005/6/30(木) 午後 1:27
某月某日 2ヶ月に一度、デイ施設で「家族の集い」とする、催しが開かれる。ここで、介護者のご家族が、様々な悩みや施設からの諸事業等の意見を交換する。この仕組みは非常に有難い。集いが終わり、母の様子を見に行った。

「お袋ちゃん、お昼ご飯食べたんか?」広々した施設内で母を見つけ声を掛けた。

「あぁー、あんたかいな、たべたかな~」悠然としている母。と、通りがかったヘルパーさんが。

「00さん、良かったね!、兄ちゃんきてくれて~」声をかけながら母に笑顔を向けてくれる。

「ああ、いつも、お世話になります。お昼どうでしたか?」と、尋ねてみた。

「はい、今日は完食でしたよ!、ねー00さん!」

「ははーっ、ほんま~、たべたぁ~」と、笑顔を返す母。

「うん、美味しい、美味しい、言う~て、ね~00さん!」

「なんや、お袋ちゃん、美味しかったんやんかー!」

「わからんねん?どうしょう、にいちゃん!」

「うん、食べた、言う~たはんねんから、何~も心配せんでえ~やんか~」

「そうですよ、00さん、今日は、大好きな歌も上手に唄えたしね!」

「そうやったかな!、わて、ウタ、うとう~たんか?」

「フレーフレーフレーフレー、ゆ~てね(阪神タイガースの応援歌六甲颪だ)」

「はは~ん、それ、僕がいつも唄ってますねん」

「よ~覚えてはりますよ~」

「あたりまえや、わすれへんわー!」と、母はニコニコしながら、負けずに言い返す。

「00さん、ちょっと」と、ヘルパーさんが私を。

「お家では、ツバを吐いたり、しやはりますか?」小声で、ヘルパーさんが。

「えっ!、ここで、お袋、吐きましたか?」

「はい、最近、ちょっと、多いんで、お家では、どうかな~思いまして」

「は~、家でもやりますねん。気管支に疾患がありまして」

「そうですか、お薬は、いただいてはるんですか?」

「はい、朝晩、治療薬を飲んでるんですが?」

「まあ~、気にしないで下さい、私らが見て対処しますから」

「すいません、よろしくお願いします」

「お袋ちゃん、ツバ出そうになったら、ティシュに出しや~、床に吐いたらあかんで~、汚いやろ~」と、やんわり。

「だれが!、そんなきたないこと、せーへんわ!、なにゆーてんの!」はい、そうです。