有馬琳伍氏の悲劇、もしくは24人の客
W氏の役目と香炉
しゃらん、しゃらん、鈴が鳴ります、鳴ります。W氏の前には、中国風の青いドレスを着た綺麗な少女がカタコンベの中を先導する。手には、長い鎖でゆらゆらゆれる香炉を持って芳しい匂いをそこら中に充満させている。棺の中には美少年がひとり安置されている。この少年を起こすのが、W氏の役目であった。さて、どうすれば起こすことができるのか。W氏は、悩み始めた。ぐるぐる。残念ながら、W氏は今日はいい案が浮かびそうもない。困ったものである。
作品名:有馬琳伍氏の悲劇、もしくは24人の客 作家名:ツカノアラシ@万恒河沙