朧木君の非日常生活(9)
「ワールドカップかい?」
「・・・・・・ッッ!?」
これが噂の読心術・・・・・・?
「それはそうと君、僕の名前は蜻蛉愁尓。蜻蛉さんと呼んでくれ。君はなんという名前なんだい」
あなた今、俺の全力の驚愕をスルーしたよね?
ま、答えるけど。
「朧木・・・・・・朧木真夜」
「朧木くん、変わった名前だね」
いや、あなたに言われたくない。
「それはそうと朧木くん、君は今面接に合格したよ。晴れてニート兼パシリの称号を得た。おめでとう。」
え?
この人、頭沸いてらっしゃるの?
「くくく、訳が分からないという気持ちが全面的に顔に出てるよ。実に滑稽だよ、朧木くん」
ん?
何で俺は嘲笑されたんだろう。
ま、いいかこの人楽しいし。
「一応聞いておくけど、俺は何の面接に受かったの?」
「蜻蛉さんの都市伝説解決事務所の助手に決まってるじゃないか」
「何で決まってるの?」
「解決事務所と言っても仕事じゃない。僕はニートだからね。ただの趣味さ」
スルーしたよね?
俺の切実な疑問をスルーしたよね?
敢えて例えるのであれば、
━━闘牛士
これ、いらなかったな。
作品名:朧木君の非日常生活(9) 作家名:たし