小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

冒険倶楽部活動ファイル

INDEX|7ページ/58ページ|

次のページ前のページ
 

 それから私達の宝捜しが始まった。
 でも問題はここから先だった。
 境内の階段に腰を下ろして考えをまとめていた。
「宝の隠し場所はこの神社って事は間違いない、後はどこにあるかだけど……」
「次の動物達の絵よね…… ネズミが13に、ウサギが8、ニワトリが15……」
「……分からない、」
「じゃあこの黒い蛇は?」
「……それも、」
「手詰まりだね……」
「う〜〜〜ん〜〜〜……」
 十波君はシャーペンを顎に当てる、 
 
 それから一時間後……
「あ、大吉だ〜っ!」
「ええっ、いいなぁ」
 舞加奈ちゃんと羽須美ちゃんはおみくじを引いていた。
 龍太郎君は箒を借りて素振りを始め、功治君はオペラグラスでUFОを探し始めた。どうやらみんなもう飽きたらしい。
「うう〜〜〜………」
 私と十波君は必死で暗号を解読していた。
「おやおや、頑張ってるなぁ」
 そこへシゲさんが人数分の飲み物を持ってやってきた。
「他の仲間達は諦めたみたいだけど、秀坊はどうする?」
「どうするって?」
「降参するなら教えてもいいが?」
 シゲさんは少しばかりイジワルだった。
 すると十波君は微笑して言い返した。
「上等だよ……」
「えっ?」
「この謎は僕達が解いてみせるよ、ねぇ河合さん?」
「えっ? ……あ、うん」
「そうか、なら頑張れ〜。あっはっは〜っ!」
 シゲさんはそのまま去って行った。とは言うものの正直手詰まりだと言うのは事実だった。
 お昼になって一度家に帰り御飯を食べてくるともう一度神社に集合、羽須美ちゃん達は今度こそ協力するって言ってたけど五分後にはまた遊び始めてしまった。
 謎解きに集中しているのは私と十波君だけだった。
「問題はここだよね、鼠と兎と馬……」
「それぞれを英語にしたら?」
「ちょっと待って……」
 すると十波君は腰の冒険ポーチから携帯電話を取り出して和英辞典モードでそれぞれの動物の英語名を検索した。
 鼠は『Mouse』、兎は『Rabbit』、鶏は『Chicken』、それらを私の冒険ポーチからメモ帳とシャーペンを取り出してメモをとる。でもこれをどうすればいいのか…… 隣りに数が書いてあるからそれぞれ同じ数だけ英語で書いてみる。でも意味が分からない……
「ああ―――っ!」
 するとその時だ。
 羽須美ちゃんが叫んだ。
「どうしたの?」
「これこれ!」
 羽須美ちゃんが指をさしたのは絵馬掛だった。
 色々な絵馬が飾られている。
「これ私達が書いたやつ〜」
 舞加奈ちゃんは一月の初日にご家族と初詣に来て自分の目標を絵馬に書いたと言う、勿論その願いとは『ロボットを造りたい』だった。
 可愛らしい虎の横に筆ペンで書かれている。
「私もここで書いたんだ」
 羽須美ちゃんは自分のを探す。
「あった。これこれ!」 
 見て見ると『裁縫がもっと上手くなりますように』と書かれている。
「あれ、でも絵馬って人に見せるとお願いが効かないんじゃ……」
「「えっ?」」
 羽須美ちゃんと舞加奈ちゃんの顔がこわばった。
「それって確かおみくじじゃなかったか? よく分からないけど……」
 十波君は暗号を解きながら会話に参加した。
 羽須美ちゃんと舞加奈ちゃんは私の言葉を真に受けたのか両肩を落とした。悪い事言っちゃったなぁ……
「そ、そう言えば今年って虎年なんだよね、私虎って猫みたいで大好きなんだ〜」
 私は話題をすり返る。
「虎じゃ無くてこの場合は寅…… ん、待てよ?」
 今の言葉に十波君は地図の動物達を見た。
「そうか、これだよ河合さん!」
「えっ?」
 すると十波君は売店の方にやって来た。
 アクセサリーや御守り、さっき羽須美ちゃん達がやってたおみくじがある。
「鼠に兎に鶏、つまりこれだよ。」
 十波君が指差したのは十二支のキーホルダーだった。
「そうか、確かに鼠も兎も馬もある!」
「そう、鼠は『子』、兎は『卯』、鶏は鳥、つまり『酉』になる。そしてこの黒い蛇は…… 巳年かな?」
 でも十二支の巳って縁を担ぐって意味で白い蛇だって聞いた事があるけど……
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki