冒険倶楽部活動ファイル
土蔵に帰ると他の子達の卒業式が始まった。
功治君、羽須美ちゃん、龍太郎君、舞加奈ちゃん、そして秀君…… みんなは自分の卒業証書を受け取ると部室に用意されたお菓子やジュースで卒業パーティーを行った。
日が暮れるまで飲んで食べて騒ぐとあっと言う間に日が傾いた。
最後は部室の前で記念撮影、秀君のデジカメで入り口で集合写真を撮ると秀君が自分の部屋でプリントして来て私達に配った。
「この部室ともお別れだね」
「少し寂しいな」
「仕方ないよ、みんな中学バラバラなんだから」
「でもまた会うんだよね〜」
「10年後か…… どうなってるのかな?」
私は言った。
「そりゃアタシは一流のデザイナーになってるわよ!」
「はいは〜い! 私はロボットを造る為に科学者になる〜」
「僕は天文学者! いろんな星を調べて新しい星を見つけるんだ」
「オレは家の道場を日本一の剣道場にする事だ!」
「ほのかは作家だろ?」
「うん、秀君は冒険家だよね?」
「夢が叶うか叶わないか、これもある意味冒険だな」
「そうだな」
龍太郎君の言葉に秀君が笑った。
みんなそれぞれの夢は決まってる、あとはそれを叶えるかどうかだった。
「それじゃ、みんなまた10年後に!」
秀君は冒険ポーチを右手に構えると私達も自分の右手に冒険ポーチを構えて突き出した。
「冒険倶楽部、これにて解散!」
「「「「「お疲れ様でした」」」」」
そして冒険ポーチを大きく空に舞い上った。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki