冒険倶楽部活動ファイル
翌日、私は見送りも無くフェリーでこの島を離れた。
もう卒業式は始まっているだろう、私の携帯には写メが送られてきた。
それは星上小学校6年生のクラス全員の集合写真だった。
担任の先生に頼んで秀君が自分の携帯で贈ってくれたのだった。
さらに『夢に向って頑張れ』と言うメッセージも送られてきた。
「秀君たら……」
私は苦笑しながらメッセージを書いた。
内容は『ありがとう、みんなも元気で』だった。
送信した後、私は青く晴れた空を見上げた。
今は晴れていてもいつ雨になるか、曇りになるか分らない、小学生の言葉じゃないのは分かってる、でもまるで今後の私の人生その物だった。
失った昨日にはもう戻れない、ならば未来に向って進もう、私はそう心に誓ったのだった。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki