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冒険倶楽部活動ファイル

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 翌日、私達は小学校にチョコレートを持って行った。
 私達のチョコレートはクラスの男子達に大好評だった。
 その後私は秀君達に部室に集まるように話した。
 今日はミーティングでも無いけど、私が見せたい物があると話した。
 授業が終わって昨日用意した物を冷蔵庫から取り出して部室へ、皆が集まってる部室で私はそれを見せた。
「「「「「「うわぁっ!」」」」」」
 みんな目を丸くした。
 差し出したのはチョコレートケーキだった。
 さすがに家にはオーブンが無いのでコンビニで買ったスポンジケーキに余ったチョコレートを塗って生クリームで天辺に冒険倶楽部のエンブレムを書いて余った部分にシュガーを塗したケーキだった。
「ほのか、本当にいいの? 今朝も貰ったのに?」
 学校でも秀君達にはトリュフを渡した。
 だけどあれはクラスメートとしてだった。
 でもこれは私自身が倶楽部のメンバーとしての感謝のプレゼントだった。
「うん、みんなにもお世話になってるから」
「凄いね、ほのかちゃんっ!」
「ありがとうな、河合!」 
「ほのかちゃん凄い凄い〜っ」
「何よ、ちゃんとサプライズ用意してたんじゃ無い、このこのっ!」
 羽須美ちゃんは肘で私を突付いてきた。
 訪ねてきた秀君に私は頷いた。
 ちなみに鯨那君には普通のチョコレートにした。
 今の時期とは言えケーキじゃ腐るかもしれなかったからだ。
 ドライアイスでも買えれば良かったんだけど、生憎この島には売ってなかった。
「さぁ、みんなで食べよう、味の保証は出来ないけどね……」
「大丈夫よ、ほのかちゃんの愛情がたっぷりこもったケーキなんだから」
「うん、羽須美ちゃん達の分もあるからね」
「わ〜い〜っ!」
「うええっ? わ、私にはそっちの趣味は無いわよ?」
 羽須美ちゃんは珍しく慌てた。
 そんな羽須美ちゃんを見て私は微笑しながらケーキにナイフを入れるのだった。
 私はバレンタインに感謝した。
 何しろ私は自分だけの冒険ができたからだ。
 凄く小さいけど、私にとっては大きな冒険だった。
 
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki