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冒険倶楽部活動ファイル

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ファイル2 宝捜し

 
 今日は週に一度の大掃除の日で私達は土蔵を掃除していた。すると私はふと気になる事があった。
「十波君ってどうしてこの倶楽部を作ったの?」
 ずっと気になっていた。成績優秀でスポーツ万能、お家もお金持ちだし何の不満も無いと思うのに……
「本当にそう思う?」
「えっ、違うの?」
「そりゃそうさ」
 十波君は言った。別にお金持ちだからって何不自由という訳ではないらしい、実は十波君はクラスでも人気者だったが心の底から真剣に取り組める物が無かったらしく、クラスメイトの大半が夢を持っている事を羨ましかったらしい、
 功治君は天文学者、羽須美ちゃんはデザイナーになりたいらしく勉強をしている。龍太郎君はお家の道場を日本一にすると言う目標をもっているし舞加奈ちゃんは機械工学を勉強してロボットを作ると言う夢を持っているけど十波君はそれが無かったと言う、
 しかしある日、そんな十波君にお祖父さんが一冊の本をくれたと言う。
「それがこれだよ」
 すると十波君は本棚から一冊の古い本を取り出した。江戸時代くらいに書かれた物だろうか、古い文字が書かれた和紙を何枚も重ねて黒い型紙で端を丈夫な糸で結ばれていた。ページを開いてみると十波君が説明してくれた。
 十波君のご先祖様は冒険が趣味で日本中を旅していたと言う。
「他にも日記はあったみたいだけど戦争で全部燃えちゃったみたいなんだ。残ったのはそれだけらしいんだ。」
 十波君は苦笑する。
 それをすぐ行動にする所が十波君の凄い所だ。
「それで祖父ちゃんに頼み込んでこの土蔵を使わせてもらう事になったんだ。本当は学校に作りたかったけどさすがに危険だって言われてね。」
「でもお爺ちゃん協力してくれたんだよね」
「そーそー、色んなお話聞かせてくれたし」
 実は十波君のお爺さんも若い頃に世界中を回って冒険したそうです。有名な山を全て登り。アメリカでハンバーガー早食い選手権に挑戦したりサバンナラリーに出場したりと様々な事に挑戦したらしい。
「規模は違うけど僕もいずれは冒険に出ようと思ってるんだ。できれば世界を自分で見てみたい。」
「そうなんだ」
「あれ〜? 何これ〜?」
 すると本棚を整理していた舞加奈ちゃんが何かをみつけた。
 それは古い折り畳まれた紙だったけど広げて見るとこの島の地図だった。
「ん、裏に何か書いてあるぞ」
 龍太郎君が地図を裏返すとそこには絵が書かれていた。社会科の授業で習った神社のマークが赤く大きく描かれ、中に鼠、兎、鶏(にわとり)の絵が描かれ、その動物達の横に一三、八、十五と書かれ、その下には長くて大きな黒い蛇と『宝』と言う文字が書かれていた。
「何これ、意味分からない……」
 羽須美ちゃんは両手を上げる。
「これ宝の地図だよ。宝って書いてあるもん!」
「確かに何かあるのは間違いないわね」
「まぁ、今度の冒険には丁度いいかもな」
 十波君の目が輝いていた。どうやら十波君のスイッチがОNになったらしい、こうなったら誰にも止められないと羽須美ちゃんは言う。
「今度の日曜日に行ってみる?」
 十波君が尋ねるとみんなの答えは決まっていた。無論『YES』だった。まぁ私も好奇心はあるから別にいいけど……
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki