冒険倶楽部活動ファイル
それから時間が過ぎる、2人はとうとう限界が着ていた。
「はぁ…… はぁ……」
「ぜぇ…… ぜぇ……」
2人供肩を上下に動かして息を切らせた。
「何かつまんない」
「飽きちゃった〜」
この2人は……
「さて、そろそろお時間ですな」
すると鈴木さんは携帯電話で時間を確めると鯨那君の方へ向って行った。
「坊ちゃま、そろそろ帰らなければ塾に遅れます」
「はぁ? そんなモノ休みだ休み! 今オレは外せない勝負を……」
「旦那様のいい付けでございます。さぁ、参りましょう」
「コ、コラ! セバスチャンっ! お前はオレの未来と親父の命令とどっちが大事だ?」
「旦那様の命令でございます」
鈴木さんは即答すると鯨那君の腕をつかむとズルズルとヘリコプターへの方と連れて行った。
「んがぁああ、秀ぇーっ! 覚えてろーッ!」
鯨那君が叫ぶ、
「今日の所はこのくらいにして置いてやる、だが今度会った時はメッタメタにしてやるから覚悟しろーっ!」
どこかの悪役の様なセリフを言うとヘリコプターはプロペラを回して空の彼方へ飛んで行った。
「あ〜あ、行っちゃった〜」
「この勝負どうなるんだ?」
秀君が尋ねると羽須美ちゃんは腕を組んで考え込んだ。
「……仕方ない、この勝負も秀の勝ちっ!」
羽須美ちゃんがガッカリしながら挙手する、
「さぁ、これでお姫様は貴方の物よ。そしてご褒美はお姫様からの熱ぅ〜いキッスよ!」
「はぁっ?」
「ええええぇ―――ッ?」
キッ、キッス?
「さぁお姫様、勝利者の王子様に熱いキッスを……」
「ちょっ、ちょっと待って、私は……」
私は羽須美ちゃんに向けて手を伸ばす、
すると秀君が私の手をつかんだ。
「逃げよう、ほのか。」
「えっ? ああっ?」
秀君は私の手を引くと羽須美ちゃんと舞加奈ちゃんに背を向けてその場から逃げ出した。
「あっ、こら〜っ、逃げるな〜っ!」
「ああっ、愛の逃避行?」
後ろから舞加奈ちゃんの罵倒と羽須美ちゃんの妄想が聞える、
私はもうこの2人に相談するのは止めようと思った。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki