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冒険倶楽部活動ファイル

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 私達は商店街の中を歩いて行った。
(ううぅ〜〜……)
 私は頭に考えがまとまらなかった。
 本当はメモらなきゃいけない事がたくさんあるのに体がガチガチで動かない、
 ずっと小さい頃に別の学校の学芸会の本番でも結構緊張したけど今回はあの日よりも酷かった。
「ほのか?」
「ひっ?」
 秀君は私の顔を覗いて来た。
 思わず足を滑らせて尻餅をついてしまった。
「痛ぁ〜〜……」
「だ、大丈夫? もしかして気分でも悪いの? 今日は辞める?」
「そ、そんな事無いよ……」
 そう、気分は悪くない、でももう我慢できない……
「あのね、実は……」
 私は真実を言おうとした。
 やっぱり普通に取材した方が良い!
「あ、いたいた。秀―っ!」
 するとそこへ功治君がやって来た。
「功治、どうした?」
「羽須美…… じゃない、ミスターXに呼ばれたんだ。
「ミスターXぅ?」
 すると秀君の携帯に電話が掛かって来た。

『さぁゲームスタートよ、
 お姫様を守りたければ私の放った刺客を倒して見なさい、
 健闘を祈るわ。            ミスター・Xより』

 羽須美ちゃん、設定懲りすぎ…… って言うか今時ミスターXって……
「そんな訳だから僕は秀とほのかちゃんを…… ってあれ?」
 功治君は私を見る、
「その子…… 秀の知り合い?」
「いや、彼女が河合さんなんだけど……」
「えええっ?」
 功治君は驚いた。
「……ほ、本当にほのかちゃん?」
「うん……」
 私は頷く、功治君は開いた口が塞がらず私を見てボーっとしていた。
「おい、功治?」
「えっ? ああ……」
 すると功治君は自分の腰の緑色の冒険ポーチの中から小さく折り畳まれた紙を広げて私達の前に出した。
「これに答えられなければほのかちゃんを渡せって、ミスターXが言ってた」
「えっと、何々?」
 私も秀君の横で功治君から出された問題を見る、
『広い大宇宙を1人の宇宙人が地球を目指して宇宙船で飛んでいました。
 その途中で出会った宇宙船が7機、各船の中には乗組員が7人づつ、
 ペットの宇宙生物が7匹、ビーム兵器が7つ、さて地球にたどり着いたのは何人? 何機? 何匹? 幾つ?』
「えっ? ええと……」
「あ、ちなみにこれ10秒以内に答えてね」
「そんな、圧倒的に足りない……」
「10、9、8……」
 功治君は容赦が無かった。
「えっと…… 宇宙人が……」
「簡単だね」
 すると秀君は口の端を上に上げると功治君に向かってビシッと指を伸ばした。
「答えは『1人と1機』だろ? 最初の宇宙人とそれが乗ってる宇宙船以外は途中で出会っただけだ。」
「おお、正解!」
 功治君は手を叩いた。やっぱり秀君は凄い……
「僕の勝ちだね、じゃあこれで……」
「あ、待って秀!」
「ん?」
「羽須…… じゃない、ミスターXが言ってたんだけど、次はゲーセンに行けって、」
「ゲーセン?」
 何でまた?
「じゃあ僕行くから、これからUFО特番見なきゃいけないから、」
「ああ、羽須美が無理言って悪いな」
「いいよ、結構暇だったし、今度冒険しようね〜」
 功治君は手を振ると私達も手を振って分かれた。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki