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冒険倶楽部活動ファイル

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ファイル8 名前


 11月某日、私は大きく欠伸をしながら登校した。
「ふぁ〜〜〜……」
 実は私はノートに書いているのとは別にインターネットで書いている小説がある、でもアイデアが出ずに話が進まず、結局夜更かしをしてしまったのである。
「おはよ〜」
 するとそこへ舞加奈ちゃんがやってきた。
「ほのかちゃん、ど〜したの〜? 凄く眠そうだけど〜」
 舞加奈ちゃんは普段から眠そうだけど、
「ちょっとね、小説書いてたら遅くなっちゃって……」
 私が小説を書いてる事は七夕の日から皆知ってる、隠すような事でもないので……
「どんなお話なの〜?」
「えっとね、天涯孤独の天才科学者の少年が、人間の心を持ったロボットの少女と出会うって言うお話で……」
「そ、それでそのロボット戦うの? どんな武装? 巨大ロボットとかでる?」
 スイッチの入った舞加奈ちゃんの目は輝いてた。別にバトル物って訳じゃないんだけど……
「……と、とにかくね、その女の子のロボットの為に出かける事になるんだけど、そこの場面がどうしても書けないのよ」
「な〜るほど、そう言う事……」
 振り向くとそこには羽須美ちゃんが両手を組んで立っていた。
「そう言う事なら私に任せなさい!」
 羽須美ちゃんにも変なスイッチが入っていた。
 クルリと一回転すると私達に向かって指を差した。
 羽須美ちゃんの提案はこうだった。
 それは想像して分からないなら実際やってみればいいとの事だった。
「やってみるって?」
「もちろん、デートに決まってるじゃない!」
「デ、デデデ……」
 デートって、私達まだ小学生なのに?
「何言ってんの、最近じゃ幼稚園児だって手を繋いで映画行く時代よ!」
 そう言う所って大人の人と一緒じゃなきゃ入れないと思うけど……
「とにかく、主人公の少年に似てる子が必要よね、科学者って言うくらいだから頭が良くなきゃいけないから……」
「ちょっと待って、十波君に一度聞いてみないと……」
 私が言いかけると羽須美ちゃんは怪しく目を輝かせて私を見た。
「あらあら? 私は秀なんて一言も言ってないわよぉ〜」
「うっ……」
 は、嵌められた…… 
 私は両肩を落とした。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki